---p15 (スライド1) 2021年度東京大学バリアフリーシンポジウム 高等教育における「繋がる支援」谷間のない支援を目指して 第一部「繋がる支援」の現状と課題 趣旨説明 熊谷 晋一郎 東京大学バリアフリー支援室 (スライド2) 大学のバリアフリーにおける課題のいくつか 〇理学、工学、生命科学、医学など、実験や実習の場面で生じるニーズ(置き去りにされやすい専門分野) 〇障害のある留学生や、海外からやってくる研究者のニーズ(制度・文化の移行過程に生じる谷間) 〇支援に先立って「自分は何者なのか」を知りたいというニーズ(見えにくい困難に関する認識的不正義) 〇初等中等教育・大学・自治体・企業の谷間に落ちやすいニーズ(大学進学、キャンパス内生活支援、就職) (スライド3) 大学のバリアフリーにおける課題のいくつか 〇理学、工学、生命科学、医学など、実験や実習の場面で生じるニーズ(置き去りにされやすい専門分野) (スライド4) 〔画像の説明) 上段3個、下段3個、計6個の動画を示す画像あり。 上段左:手術室での新生児処置〔手術中のランプの画像〕 上段中:心臓超音波検査〔検査の様子の画像〕 上段右:外来診察〔診察室内の画像〕 下段左:乳児採血〔採血の様子の画像〕 下段中:救急搬送〔ストレッチャーで搬送の画像〕 下段右:病棟管理〔ナースステーションの様子の画像〕 〔画像終わり〕 (スライド5) 障壁と参加促進因子 〔表の説明〕 「構造的要因」と「文化と風土」別の障壁と参加促進因子を示す表。 「構造的要因」の障壁: ・情報に疎い障害支援部門 ・明確な方針と手順の欠如 ・微妙な臨床上の配慮や支援技術に関する知識へのアクセスの欠如 ・その他の意味のある配慮提供へのアクセスの欠如 ・テクニカルスタンダードの周知徹底と配慮へのアクセスに関する情報提供の失敗 ・〔注 赤字強調〕医療現場における最新の技術やその他の発展を反映していないテクニカルスタンダード ・健康管理およびウェルネスサポートへのアクセスの欠如 「構造的要因」の参加促進因子: ・適切な配慮へのアクセス ・配慮へのアクセスのしやすさ ・臨床上の配慮や医学教育に関する知識をもつ障害支援部門 ・人的ネットワークや学生団体 「文化と風土」の障壁 ・〔注 赤字強調〕ステレオタイプとスティグマ ・〔注 赤字強調〕「臨床化された」文化 ・〔注 赤字強調〕同僚の否定的な態度 ・〔注 赤字強調〕障害への固定観念により、学習者が専門分野から外される 「文化と風土」の参加促進因子: ・障害者に開かれた入試制度 〔注 赤字強調〕・ピアサポートネットワークと医師のメンター ・ダイバーシティに対するトップダウンのコミットメント 〔表終わり〕 Accessibility, Inclusion, and Action in Medical Education: Lived Experiences of Learners and Physicians With Disabilities (スライド6) 大学のバリアフリーにおける課題のいくつか 〇障害のある留学生や、海外からやってくる研究者のニーズ(制度・文化の移行過程に生じる谷間) ---p16 (スライド7) 障害のある留学生が直面する困難の一部 〇アクセシブルな住居の確保 〇外国語による情報保障 〇医療・福祉サービスの利用 〇ニーズアセスメントの方法や、利用できるサービスの国による差・・・ (スライド8) 大学のバリアフリーにおける課題のいくつか 〇支援に先立って「自分は何者なのか」を知りたいというニーズ(見えにくい困難に関する認識的不正義) (スライド9) 共有されにくい困り事(相談支援の重要性) 1.めずらしい困り事 2.〔注 赤字強調〕それを表現する語彙が流通していない困り事 3.優先順位が低くされがちな困り事 4.打ち明けると疑われたり誤解されやすい困り事 5.規範によって恥ずかしいとされやすい困り事 (スライド10) 大学のバリアフリーにおける課題のいくつか 〇初等中等教育・大学・自治体・企業の谷間に落ちやすいニーズ(大学進学、キャンパス内生活支援、就職) (スライド11) 24時間介助を必要とする障害学生・研究者の支援 重度訪問介護の適用範囲は「居宅における入浴、排せつ又は食事の介護等及び外出(通勤、営業活動等の〔赤字始まり〕経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出〔赤字終わり〕を除く。以下この第2、第3及び第4において同じ。)」 『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準』厚生労働省告示第523号(2006年9月29日) 〔注 赤字強調〕「生活者としてindependentでなければ、高等教育や経済活動に従事できない」という前提に基づく制度設計 (スライド12) 生活基盤の部分で支援が必要な人が、同時に生産活動に従事しうるという前提がないと、支援の谷間が生まれる 〔図の説明〕 「生活基盤」と書かれた横長の長方形の上部に一部重なる形で、「勉学」「教育」「研究」の縦長の楕円3つが均等に並んでいる。 「生活基盤」の右側に上下矢印と「行政」の文字、3つの楕円の右側に上下矢印と「大学」の文字がある。この二つの上下矢印の間に「谷間」と書かれた四角形がある。 〔図終わり〕 ---p17 (スライド13) バリアフリー支援室と連携させていただいている先生方のご講演 〇理学、工学、生命科学、医学など、実験や実習の場面で生じるニーズ(並木先生のご講演) 〇障害のある留学生や、海外からやってくる研究者のニーズ(大西先生のご講演) 〇支援に先立って「自分は何者なのか」を知りたいというニーズ(川瀬先生のご講演) 〇初等中等教育・大学・自治体・企業の谷間に落ちやすいニーズ(近藤先生のご講演) ---end