視覚障害について、知っておいていただきたいこと

1.視覚障害とは

視覚障害とは、眼球、視神経及び大脳視中枢などで構成される視覚系のいずれかの部分に障害があるために、見ることが不自由または不可能になっている状態のことです。視覚的な情報をまったくえられない、またはほとんどえられない「盲(もう)」と、文字の拡大や視覚補助具等を使用し保有する視力を活用できる「弱視」に大きく分けられます。この他に、色彩の弁別能力に障害のある場合もあります。
ただ、「盲」「弱視」と一口に言っても、視力があるかないかの単純な状態ではありません。
「盲」とは、明暗の区別のつかない状態も指しますが、明暗の区別はつく状態、目の前で手を振ると動いているか止まっているか、わかる状態、目の前で出された指の数程度ならわかる状態も含みます。
また「弱視」には、視力が低い状態の他に、見える範囲が狭い状態、光をまぶしく感じる状態、明るいところではよく見えるのに、夜や暗いところでは見えにくくなる状態も含みます。

視力をほとんど活用できない盲の人の場合、音声、触覚、嗅覚など、視覚以外の情報を手がかりに周囲の状況を把握しています。文字の読み書きは、最近では画面上の文字情報を読み上げるソフトを用いてパソコンでおこなうことが多くなっています。また、点字も視覚障害者が自由に読み書きできる大切な手段の一つです。移動時は、白杖を持ち単独で歩くケース、ガイドヘルパーや盲導犬と歩くケースがあります。

弱視の人で視力をある程度活用できる人の場合は、補助具を使用したり、文字を拡大したり、近づいて見るなどの、さまざまな工夫をして情報を得ています。最近では、盲の人と同様に、パソコンも活用しています。視力を活用できても、遠くのもの、小さいもの、動いているものが見えない、大きいものの全体像が把握できないなどの困難があります。また、読み書きに時間がかかったり、負担が大きかったりすることもあります。
移動時には白杖を用いない人も多く、一見して視覚障害者とわからないことが多くあります。

2.視覚障害者との接し方

視覚障害者と一口に言っても、見えなくなった時期、障害の状況や程度はさまざまです。また、白杖を持たずに歩いていたり、白杖は持っていても目をしっかり見開いていて、声のする方に視線が向いたりするため、一見して視覚障害者と見えない場合もあります。
まずは、本人に、その見え方やどのようなサポートを希望するかを確認してください。

一般的には、次のような点に留意しましょう。

■声をかける時
前から近づき、「○○さん、こんにちは。○○です」
などと自分から声をかけ、名乗ってください。軽く肩や腕に触れていただくと、話しかけられていることが一層わかりやすくなります。

説明する時
「むこうの・・・」「あそこの・・・」「このくらいの・・・」などと指差し表現や指示代名詞で表現しても、視覚障害者は相手が目で見ている先を理解できません。「あなたの右」、「煙草の箱くらいの大きさ」などと、具体的に説明してください。
何かに触ってもらう場合は、説明しながら視覚障害者の手をとって触れさせてください。
方向や位置を説明するときは、視覚障害者がいま向いている向きを基準にして説明してください。
初めての場所では、部屋の様子と席の位置や向きなどを説明してください。たとえば、「部屋は講義室のような部屋で、机がロの字型に並んでおり、30人くらい座れそうで、今は15人くらい座っています」、のように、具体的に説明してください。
道順を説明するときは、目印となる具体的な建物などを伝えてください。全盲の人が、さらに誰かに、目的地の場所やそこへの道順を伝えたり、尋ねたりする際には、目印の建物についての情報があると便利です。
壁に貼ってあるポスター類、ビデオやDVDで画面だけが動いているような時、どのような場面や状況か、簡単に伝えてください。

グループで話しているとき
どのような人達がグループにいるのかを視覚障害者は見渡すことができません。話が始まる前に一回り自己紹介をしてください。
いなくなった相手に気づかず、話しかけることがあります。席をはずすときや戻ってきたときは、一声かけてください。また、新たに話に加わるときは自己紹介をしてください。
今しゃべっているのが誰なのか、視覚障害者は見ることができません。必要に応じて名乗ってから話し始めてください。

その他
視覚障害者は、得意・不得意はありますが、多くの人が、自分の周囲の様子を頭の中にイメージしながら生活していますので、日常的に利用している場所や、使用しているものについては見えているかのように動いたり使ったりします。これは身体が覚えているからできることなのです。
ですから、様子のわからない不慣れな場所や、初めての場所はもちろんのこと、日常的に利用・使用している場所でも、普段と様子が変わっていると戸惑うことがあります。普段から、通路(たとえば、点字ブロックの上)に通行の妨げになるものを置かない、日頃視覚障害者が使用しているものの位置を変えないなど、周囲の協力が不可欠です。
困っていそうなときはサポートが必要かどうか声をかけてください。また、その人が、見えない・見えにくいことを心のどこかに留めておいてください。
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