-----ps1 障害のある学生への バリアフリー支援ガイド IncluDE バリアフリー推進オフィス Office for Disability Equity 障害のある学生へのバリアフリー支援ガイド 東京大学 -----ps2 目次 はじめに 1 Chapter1 東京大学のバリアフリー 理念と支援体制 2 東京大学のバリアフリー理念 1. 東京大学におけるバリアフリーの理念 2 2. 「バリアフリー」という名称 2 3. バリアフリー推進オフィスの沿革及び組織 3 東京大学のバリアフリー支援体制 1. 障害のある学生への支援体制 3 2. 障害のある学生への支援に関わる活動 4 Chapter2 支援実施担当者(教員・職員)の役割と障害のある学生への支援の流れ 6 1. 支援実施担当者(教員・職員)の役割 6 2. 障害のある学生への支援の流れ 7 3. 支援機器等一覧 10 Chapter3 障害のある学生を受け入れるに当たって 17 視覚障害のある学生を受け入れるに当たって 聴覚障害のある学生を受け入れるに当たって 肢体不自由のある学生を受け入れるに当たって 内部障害、慢性疾患のある学生を受け入れるに当たって 発達障害・精神障害のある学生を受け入れるに当たって Chapter4 関連する支援 58 1. 施設設備のバリアフリー改善 58 2. 情報アクセシビリティ 60 3. ユニバーサルな教材 63 4. 障害のある学生への緊急災害時対応 65 5. キャリア形成・就職支援 67 Chapter5 障害者差別解消法と対応要領 68 1. 障害者差別解消法 68 2. 対応要領 69 3. 不当な差別的取扱いの禁止 74 4. 合理的配慮の提供 74 巻末資料 80 -----ps3 はじめに  東京大学は、「東京大学憲章」の精神に則り、全学のバリアフリーを推進しています。バリアフリー推進オフィスは、東大憲章の精神のもと“バリアフリーの東京大学”を実現すべく、2004年にバリアフリー支援室として、駒場IIキャンパスに設置されました。現在では、本郷支所と駒場支所及び柏分室の2支所1分室体制にて、全学のバリアフリーのための様々な活動を進めています。  障害のある学生への支援についてはバリアフリー推進オフィス発足以前にも、各部局によって積極的な実施がなされてきましたが、そのノウハウが蓄積されるには至りませんでした。そこで、バリアフリー推進オフィスが各部局の支援のノウハウを集約し、それをまた全学に周知するという任を担うこととなりました。  そして、2016年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行され、不当な差別的取扱いの禁止と、合理的配慮の提供が法的義務となり、全学のバリアフリーは新たな段階に入りました。さらに、2024年4月からは、多様性包摂共創センター(IncluDE)DEI実践部門のバリアフリー推進オフィスとして、あらたなスタートを切りました。  本支援ガイドは、各部局が様々な支援事例に適切に対応できるよう、これまでバリアフリー推進オフィスで蓄積された経験とノウハウを一冊にまとめました。ご一読いただき、支援実施の際にはぜひご活用ください。 -----p2 Chapter1 東京大学のバリアフリー 理念と支援体制 東京大学のバリアフリー理念 1 東京大学におけるバリアフリーの理念  東京大学憲章の前文は、「東京大学は、構成員の多様性が本質的に重要な意味をもつことを認識し、すべての構成員が国籍、性別、年齢、言語、宗教、政治上その他の意見、出身、財産、門地その他の地位、婚姻上の地位、家庭における地位、障害、疾患、経歴等の事由によって差別されることのないことを保障し、広く大学の活動に参画する機会をもつことができるように努める」旨を宣言しています。また、第17条では、バリアフリーのための人的・物的支援を、第19条では、すべての構成員がその個性と能力を十全に発揮しうるような環境整備を図ることを定めています。  東京大学では、これらの理念に則り、全学バリアフリーを推進しています。バリアフリーの推進においては、すべての構成員が主役です。2005年にバリアフリー支援室(当時)から提出された報告書「東京大学のバリアフリーの推進について」では、「東京大学の構成員みなが本学の社会的責務を自覚すること、そして本学の研究教育機関としての積極性と独自性がもっとも発揮されやすい形でバリアフリーを推進していくことが望まれる」と結ばれています。 2 「バリアフリー」という名称  東京大学では、なぜ「障害者支援」ではなく「バリアフリー支援」という名称を用いているのでしょうか。「バリアフリー」という名称には、障害のある学生・教職員に対して、私たちの社会が築いているバリア(障壁)こそが問題であるという認識が背景にあります。今の社会で「障害者」とされている人たちに対して、有形・無形の多くの障壁を私たちの社会は築いてしまっています。そうした障壁こそが問題であり、障害者個人に問題の本質があるのではないという基本的な認識に基づき、様々な障壁を取り除くことを意図して東京大学では「バリアフリー」という名称を用いているのです。 -----p3 3 バリアフリー推進オフィスの沿革及び組織  バリアフリー推進オフィスは、東京大学が中・長期的にバリアフリーを着実かつきめ細かく推進するためのアドバイスや情報提供を行うことを目的として、2004年4月にバリアフリー支援室として設置されました。現在は、担当理事、センター長、オフィス長、本郷・駒場の各支所長をはじめとする約40名の教職員からなるオフィス員(オフィススタッフ〈専任教員、支援コーディネーター及び事務職員〉を含む)により構成されており、本郷支所と駒場支所及び柏分室の2支所1分室体制で、東京大学に在籍する障害のある学生・教職員への修学・就業支援及び全学のバリアフリー化に取り組んでいます。 略年表 2001年6月 「バリアフリーの東京大学」を実現するためのワーキンググループ設置 2002年10月 バリアフリー支援準備室 開設 2004年4月 バリアフリー支援室 開設(駒場IIキャンパス) 2006年4月 バリアフリー支援室本郷支所 開設(本郷地区キャンパス) 2007年4月 駒場支所移転(駒場Iキャンパス) 2010年6月 本郷支所移転(学生支援センター内) 2016年11月 本郷支所 柏分室 開設(柏地区キャンパス) 2024年4月 多様性包摂共創センター内バリアフリー推進オフィスに改組 東京大学のバリアフリー支援体制 1 障害のある学生への支援体制  障害のある学生への支援に当たっては、「東京大学におけるバリアフリーの推進に関する指針」において、障害のある学生が不利益を受けることのないよう、全学的に推進することが明記されています。  障害のある学生への支援体制は、部局、本部、バリアフリー推進オフィスの三者が互いに連携する「支援の三角形」を基本的な考え方としています。障害 (図)支援の三角形 部局 人的・物的サポート 本部 財政的措置 オフィス ノウハウの提供 障害のある学生・教職員 (図の説明) 三角形の各頂点に部局、本部及びオフィスがそれぞれ配置され、三角形の中心に置かれている障害のある学生・教職員に向かって、各頂点から矢印が出ている。この図は、障害のある学生・教職員への支援体制は、部局、本部、バリアフリー推進オフィスの三者が互いに連携して行うものであるという基本理念を示している。 -----p4 のある学生へは、この支援の三角形により「合理的配慮」(Reasonable Accommodation)とよばれる人的支援及び物的支援が適切に提供されます。また、授業以外の学内活動、正規生以外の学生の支援についても、部局とバリアフリー推進オフィスが事例ごとに必要に応じた合理的配慮を検討します。 ○部局の役割  各部局は、支援の直接の窓口となる支援実施担当者を選任します。支援実施担当者は、障害のある学生との連絡調整、授業担当教員との連絡調整、教室の手配、サポートスタッフによる支援実施の時間管理等、支援の全般的調整の担い手となります。支援に際しての流れや役割等の詳細は、各項目をご参照ください。 ○本部の役割  本部は、支援に係る財政的な措置を担います。 ○バリアフリー推進オフィスの役割  バリアフリー推進オフィスは、部局が支援を進めるに当たって必要なノウハウの提供・蓄積、支援機器の貸与等を行います。 2 障害のある学生への支援に関わる活動 ○障害のある学生への支援等に関わる各種会議  バリアフリー推進オフィスでは、定期的に支援に関する会議を開催し、支援の充実を図っています。 ・バリアフリー支援連絡会議 理事(バリアフリー担当)、センター長、オフィス員、支援実施担当者、その他オフィス長が必要と認める教職員が一堂に会して、全学のバリアフリー推進に関する事項及びバリアフリー推進オフィスの運営において特に重要な事項について協議しています。 ・各検討部会 バリアフリー支援連絡会議の下に設置された「支援促進検討部会」「施設改善検討部会」「雇用改善検討部会」「情報アクセシビリティ部会」に、オフィス員(オフィススタッフを含む)がそれぞれ属し、定期的に開催して学内のバリアフリーに関わる諸課題の解決に向けて審議しています。 ・障害のある学生とのバリアフリー意見交換会 障害のある学生、サポートスタッフ、理事(バリアフリー担当)、センター長、オフィス員、支援実施担当者が一堂に会し、ともに、東京大学のさらなるバリアフリー推進 -----p5 に向けて意見交換をしています。 ○バリアフリーに関する理解・啓発  東京大学のさらなるバリアフリー推進に向けて、「東京大学バリアフリーシンポジウム」「バリアフリー支援研修会」等を開催し、理解・啓発に努めています。また研修会への講師派遣、バリアフリー推進オフィスホームページ等によるバリアフリー情報の発信も行っています。 ○サポートスタッフの養成  障害のある学生への支援には、学生が重要な役割を担っています。バリアフリー推進オフィスでは、支援に当たる学生を「サポートスタッフ」と称し、随時、登録を受け付けています。サポートスタッフは、パソコンテイク、ノートテイク、ノート作成、電子データ化作業等、障害のある学生の支援を行います。  バリアフリー推進オフィスでは、説明会、パソコンテイクやノートテイク等の活動別講座等を開催してサポートスタッフの養成を行い、支援を必要とする学生の在籍する部局に紹介しています。  支援に当たる学生は、守秘義務や授業データの取り扱い等について確認書を取り交わした上で活動に入ります。サポートスタッフとしての支援活動は、学生教育研究災害傷害保険(略称「学研災」)での補償対象となります。  支援実施においては、支援に伴うコーディネート業務は部局が担い、バリアフリー推進オフィスがノウハウを提供します。支援開始後も、バリアフリー推進オフィスでは、フォローアップ講座を行い、支援技術の向上と定着に努めています。 column 本学学生、教職員への啓発活動「手話でしゃべランチ」  バリアフリー推進オフィスでは、手話に親しむ機会を提供することを目的として、学生・教職員を対象に、「手話でしゃべランチ」を月2回、ランチタイムに開催しています。手話未経験者もスタッフのサポートで安心して参加でき、季節の話題や、ろう文化に関する話を手話で学びます。  この場を通じて「ろう者」と「聴者」の壁を少しでも解消することを目指しています。 開催予定 (2024年時点) 月2回:第2火曜日 第4火曜日 開催方法や場所は、バリアフリー推進オフィスホームページ及び、登録学生対象のメールマガジンにて告知します。 -----p6 Chapter2 支援実施担当者(教員・職員)の役割と障害のある学生への支援の流れ 1 支援実施担当者(教員・職員)の役割  支援実施担当者は、部局における支援の直接の窓口となります。部局に所属する障害のある学生のもっとも身近にいる教職員として、当該学生の状況を確認し、支援ニーズを把握します。  以下に、具体的な役割を示します。 ▼支援実施担当者の役割 障害のある学生支援の窓口 ○障害のある学生の相談窓口 ○定期的な面談の実施 ○(面談の場以外でも)現状を確認・把握 バリアフリー推進オフィスと常に情報共有!! バリアフリー推進オフィスとの連絡調整 ○オフィスから提供されるノウハウをもとに、適切な支援を実施 ○支援実施計画調書等の提出 部局全体で支援に取り組む!! 学内関係教職員との連携・連絡調整 ○部局内における授業担当教員との連携・連絡調整役 ○進学に伴う部局(支援実施担当者)間の支援の引き継ぎ (図)▼本学の支援における部局の位置づけ 部局 ・障害のある学生 ・授業担当教員 ・その他教職員 ・支援実施担当者【窓口】 部局内関係教職員間の連携が重要!! 連携 ・バリアフリー推進オフィス (図の説明) 部局の円の中に、四角で囲われた支援実施担当者【窓口】と、それぞれ円で囲まれた障害のある学生、授業担当教員、その他教職員の、4つが配置されている。そして、それぞれが双方向の矢印で結ばれている。 また、部局の外に縁で囲まれたバリアフリー推進オフィスが単独で配置されており、そこと支援実施担当者【窓口】が双方向の矢印で結ばれている。 この図は、支援実施担当者が窓口となり、部局内で相互に連携して支援を行うこと、また、バリアフリー推進オフィスと連携して支援を進めることを示している。 -----p7 2 障害のある学生への支援の流れ  ここでは、障害のある学生の入学決定から卒業までの流れと、各段階で支援実施担当者がどのような役割を担うかについてまとめました。 ▼障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割(簡略図) 1 入学が決定したら ・障害のある入学者へ、支援に関する情報提供 ・部局内及びバリアフリー推進オフィス等関係部署との情報共有 2 面談の希望があったら ・面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 ・当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 ・「バリアフリー支援申込届(」写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 ※「バリアフリー支援申込届」は、面談後に受け取る場合もあります。 提出書類 バリアフリー支援申込届 3 初回面談の実施 ・「Chapter3. 障害のある学生を受け入れるに当たって」(P.17)を参考に、面談実施 【入学】 4 支援内容の決定 ・当該学生より「支援に関する確認書」を受取り、写しを当該学生に渡し、バリアフリー推進オフィスにも提出 ・「支援実施計画調書」を作成、バリアフリー推進オフィスに提出 ・支援機器の貸出を希望する場合は、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出 ・「支援実施計画調書」を提出後、新たに経費を伴う支援が発生する場合は、「支援経費申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出(このとき、「支援実施計画調書」の再提出は不要) ・部局内関係教職員へ、障害のある学生の支援に関する情報を周知 ・授業担当教員への配慮依頼 ・支援開始後も、支援状況を確認し、バリアフリー推進オフィスとも情報を共有 提出書類 ・支援に関する確認書 ・支援実施計画調書 ・支援機器等貸出申請書 ・支援経費申請書 【試験前】 5 試験時の支援に関する面談の実施 ・定期試験前(1か月半から1か月前)に、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)での試験時の支援に関する面談実施 ・面談で確認された試験時に必要な配慮内容を、授業担当教員と確認、調整 ・授業担当教員へ試験時の配慮依頼(必要に応じて試験監督にも情報を共有) 以降、定期試験前に「試験時の支援に関する面談」を実施 【新学期前】 6 新学期の支援に関する面談の実施 ・学期開始前に、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)での新学期の支援に関する面談実施 以降、「新学期の支援に関する面談」は、継続的に実施 【進学】 7 進学時引継ぎ面談の実施 ・当該学生、支援実施担当者、進学内定先部局支援実施担当者、バリアフリー推進オフィス、その他関係者で支援の引継ぎ面談実施 ・以降、4「支援内容の決定」の手順に沿って卒業まで支援を実施 ・支援機器の貸出をしていた場合は、卒業時に回収し、バリアフリー推進オフィスに返却 -----p8 1 入学が決定したら (1) 支援実施担当者(職員)は、本学第2次学力試験、各学部の行う学士入学試験、学校推薦型選抜、研究科等の行う大学院入学試験のいずれにおいても、障害のある入学者に対し、本学での支援体制とバリアフリー推進オフィスについての情報提供を行います。 (2) 支援実施担当者(職員)は、支援を希望する障害のある入学者の窓口となります。 (3) 支援実施担当者(教員・職員)は、受入に当たって部局内でどのような支援体制が必要かを検討し、部局内及びバリアフリー推進オフィス等関係部署との情報共有を図ります。 2 面談の希望があったら (1) 障害のある入学者が面談を希望したら、支援実施担当者(職員)は、障害のある入学者から「バリアフリー支援申込届」(P.86)の提出を受けます。 (2) 支援実施担当者(職員)は、「バリアフリー支援申込届」の写しをバリアフリー推進オフィスへ提出します。 (3) 支援実施担当者(職員)は、初回面談の日程や場所の調整を行います。 (4) 支援実施担当者(教員・職員)は障害のある入学者、バリアフリー推進オフィス、その他関係者を招集します。 ※初回面談では、学生のニーズに応じた関係教職員も加わることで、よりスムーズな支援に繋がります。例えば、肢体不自由や視覚障害等の移動に困難を伴う入学者の場合には、施設整備の改善等の対応が想定されることから、施設担当者も含めて、早期に入学後の動線に沿ったアクセス面のチェックを実施することが重要になります。 3 初回面談の実施 (1) 初回面談では、支援実施担当者(教員・職員)は、障害のある学生、バリアフリー推進オフィス、その他関係者とともに、障害のある学生の支援の内容と方法について協議します。 ※「Chapter3. 障害のある学生を受け入れるに当たって」(P.17)参照 4 支援内容の決定 (1) 支援実施担当者(職員)は、障害のある学生から「支援に関する確認書」(P.88)の提出を受け、その写しを当該学生に渡し、バリアフリー推進オフィスにも提出します。 -----p9 (2) 支援実施担当者(職員)は、「支援実施計画調書」(P.89)を作成し、バリアフリー推進オフィスへ提出します。 ※バリアフリー推進オフィスでは、部局から提出された「支援実施計画調書」に基づき、支援内容について審議し、部局へのノウハウの提供、サポートスタッフの養成等を行います。 ※2年目以降、「支援実施計画調書」は、毎年度始めに、内容を見直した上で新たに提出します。 ※支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」(P.93)をバリアフリー推進オフィスに提出します。支援機器については、「支援機器等一覧」(P.10)を参照してください。 ※年度の途中で、新たに経費を伴う支援が発生する場合には、「支援経費申請書」(P.95)を、バリアフリー推進オフィスに提出します(「支援実施計画調書」の再提出は不要です)。 (3) 支援実施担当者(教員・職員)は、支援方針が決定したら、必要に応じて授業担当教員及び関係者と相談し、具体的な支援内容を決定します。支援実施担当者(教員)は、授業担当教員への申合せが円滑に実施できるよう教員間の調整を行います。また、支援実施担当者(教員)は、教授会等部局内各種会議にて障害のある学生に関する情報を周知する等、教員間で情報を共有できるよう努めます。支援実施担当者(職員)は、「配慮依頼文書」を作成し、授業担当教員へ配付します。 (4) 支援実施担当者(教員・職員)は、支援実施に当たり、教員との調整以外にも様々な調整を行います。(例:車いす使用学生等の授業教室の調整、支援機器の手配、障害のある学生やサポートスタッフとの連絡調整、サポートスタッフの支援活動時間管理等) (5) 以降、支援実施担当者(教員・職員)は、バリアフリー推進オフィスとの相談及び調整のもと、支援内容の確認及び再調整を行います。また、常に、バリアフリー推進オフィスと支援に関する情報を共有します。 5 試験時の支援に関する面談の実施 (1) 必要に応じて、各定期試験前に関係者で面談を行います。支援実施担当者(職員)は、面談に向けた調整をします。調整に時間を要する場合もあるため、概ね試験の1か月半から1か月前を目安に面談を実施するのが望ましいでしょう。 (2) 面談では、支援実施担当者(教員・職員)は、障害のある学生、バリアフリー推進オフィス、その他関係者とともに、試験時に必要な支援について確認します。具体的には以下のような対応例が考えられます。 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 視覚障害 問題用紙・解答用紙の点訳や拡大、解答方法の変更、視覚補助具の持ち込み、別室受験、時間延長、座席指定 等 聴覚障害 リスニングの免除または代替問題による受験、補聴援助システムの使用、注意事項の文書伝達、別室受験、座席指定 等 肢体不自由 解答方法の変更、別室受験、時間延長、座席指定 等 内部障害、慢性疾患等 常備薬等の持ち込み、別室受験、時間延長、座席指定 等 発達障害・精神障害 常備薬等の持ち込み、注意事項の文書伝達、別室受験、時間延長、座席指定 等 -----p10 (3) 支援実施担当者(教員・職員)は、授業担当教員と、試験時の支援内容の確認をします。支援内容が決定したら、支援実施担当者(職員)は「試験時における配慮依頼文書」を作成し、授業担当教員及び試験監督教員へ配付します。また、決定した支援内容を障害のある学生に伝達します。 6 新学期の支援に関する面談の実施 (1) 学期開始前に、障害のある学生に新学期の支援に関する確認を行います。 (2) 必要に応じて、本人を含む関係者間で面談を実施します。面談では、支援実施担当者(教員・職員)は、障害のある学生、バリアフリー推進オフィス、その他関係者とともに、支援状況の確認や再調整を行います。 7 進学時引継ぎ面談の実施 (1) 支援実施担当者(教員・職員)は、障害のある学生の進学が内定したら進学内定先部局への引継ぎ面談を希望するか確認します。 (2) 障害のある学生が希望した場合は、本人、進学内定先部局、バリアフリー推進オフィスとの進学時引継ぎ面談の調整を行い、実施します。 (3) 進学内定先部局の支援実施担当者(職員)は、専攻の教員や事務とも調整を行います。 (4) 引継ぎ面談では、障害のある学生の状況やこれまでの支援内容を確認します。 ※以降、進学内定先部局の持出科目に関する支援は進学内定先部局が、(教養)前期課程や他部局の開講科目に関する支援は教養学部が担います。 ※進学後は、進学先部局支援実施担当者(教員・職員)が4「支援内容の決定」からの手順に沿って支援を行います。 3 支援機器等一覧  支援機器等の貸出を希望する場合は、所属部局の支援実施担当者(職員)よりバリアフリー推 -----p11、p12、p13 進オフィスに「支援機器等貸出申請書」(P.93)を提出してください。「支援機器等貸出申請書」は、UTokyo Portal便利帳よりダウンロードできます。なお、以下の分類は一例であり、状況やニーズに応じて、幅広く利用できます。また、一覧にない支援機器等で貸出希望がある場合は、バリアフリー推進オフィスにご相談ください。 〈共通〉 支援機器名 製品名・機能・用途 ICレコーダー 音声案内機能、液晶画面表示を備えています。 タブレット 様々な支援に活用できます。画像の白黒反転や拡大機能を備える他、拡大鏡としても利用することができます。また、音声認識アプリ等を使って、情報保障の表示機としての利用もあります。 ・iOS対応:iPad、iPad mini ※Appleペンシルあり ・Android対応:HUAWEI MediaPad ノートPC(Windows/Mac) 情報保障(パソコンテイク)や、試験時支援のPCによる解答での使用など、様々な活用支援に活用できます。 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈視覚障害〉 点字プリンター 点訳ソフトで作成した点字データを打ち出すプリンターです。 ・Braille Printer TP-32 両面打ちで点図も打ち出すことができます。 ・ESA721 Ver95’ 両面打ちで点図も打ち出すことができます。太線、中線、細線の3種類の線を印字可能なため、詳細な点図を印字できます。 ・DOG-Multi ・DOG-Multi Super V2 点字、墨字を同時に印刷でき、両面印刷も可能です。 ※Super V2は図形点訳ソフト「エーデルTS」に対応しています。 自動点訳・点訳支援プログラム ・EXTRA for Windows ・点字編集システム テキストファイルを点訳し、点字プリンターで出力できるように変換するためのソフトです。 点字ディスプレイ ・ブレイルセンスポラリスミニ ・ブレイルセンスシックス 携帯に便利な点字音声情報端末です。電卓機能、辞書機能や点字やテキストデータの読み込み・作成が可能です。DAISY再生やFMラジオ、メディアプレーヤー、電子メールなどの基本機能に加えて、Androidアプリを活用することで多くの機能が利用可能です。 点字タイプライター ・パーキンスブレイラー 点字が表面に出てくるため、タイプしながら文書を読むことができます。 小型点字器 標準点字盤に比べ、小型なので持ち運びに便利です。 表面作図器(レーズライター) 視覚障害者が文字や図形を書いたり、識別したりするために使う筆記用具です。弾力性のある下敷の上に置いた特殊な用紙に、先の硬いボールペン等を使って線を描きます。凸状に浮き上がった筆跡を指先で読み取ります。 点字テプラ ・キングジムSR6700D 点字にしたい文字を入力すると自動的に点訳します。点字と印字を1枚のラベルに印刷することができるので、視覚障害のある方にも、点字を読めない晴眼者にも同時に情報を伝えることができます。教室のドアや備品等のラベル表示に活用できます。 立体コピー作成機 ・ピアフ(PIAF) 専用ペーパーを機器本体に通すと黒く記載した部分が膨らみ、簡単に触図が作成できます。 立体イメージプリンター ・EasyTactix デジタルデータから精細な立体イメージや点字・触図を作成します。WordやExcelからも印刷可能です。(専用ペーパーが必要) スクリーンリーダー(音声読み上げソフト) パソコンの画面情報を音声で読み上げ、操作を支援するソフトウェアです。 ・PC-Talker Windowsの操作を音声で案内するソフトウェアです。 ・NetReader PC-Talkerに対応したインターネット読み上げソフトです。 ・JAWS 主要なブラウザ、ソフトウェアに対応しており、Webページの読み上げ、文書の読み上げ及び作成のほか、様々な情報へのアクセスを可能にします。 音声対応ワープロソフト ・MyWord PC-Talkerに対応した音声ワープロソフトです。作成した文書をWord文書として保存できます。 音声対応メールソフト ・My Mail PC-Talkerに対応しており、操作がシンプルで、安全かつ使いやすい音声メールソフトです。 OCRソフト 画像やPDFファイルに含まれる文字を認識してテキストデータに変換するツールです。スキャナーで読み取った紙の資料を電子化する際などに使用します。 ・e-typist 簡単な操作で、OCRを実行します。(多言語対応) ・WinReader Pro 高い認識精度と様々な機能やオプションがあります。(多言語対応) 音声拡大読書器 ・よむべえスマイル 文字を音声で読み上げ画面で大きく表示する、音声と拡大表示両用の読書器です。手書きや、点字、DVDの読み上げも対応可能です。 拡大読書器 [据置型] ・クリアビュープラスHD(総合図書館に設置) 高解像度、高精細のHDカメラ搭載で、拡大倍率は、約2.5倍から77.5倍です。モニターの高さに加え、角度も変更できます。90度回転するため、縦書き文も文字数を多く表示できます。 ・シナジーSI(駒場図書館に設置) 高解像度カメラ搭載で、拡大倍率は、3倍から75倍です。文字と地の色の組み合わせは16種類設定可能で、表示位置が確認できるポインタ機能を備えています。 ・クリアビュー・ブライト パソコンとつなぎ、パソコンの拡大画面と読書器の拡大画面を切り替えることや、分割画面として並べて同時に見ることができます。通常の読書器としても使用可能です。 [携帯型] ・アクティブビュー 4.3型ワイド液晶モニターで、拡大率は、6.5倍から26倍までの範囲で自由に調整でき、700万画素オートフォーカスカメラを搭載しています。 ・ズーマックス スノー 4.3インチのモニターで、拡大率は、約2倍から16倍までの範囲で調整ができます。ボタンが少なく操作が簡単です。 ・アイラビュー スーパーHD 4.3インチワイドモニターで、拡大率は、1.8倍から50倍までの範囲で自由に調整ができます。遠近両用の高機能カメラを搭載しています。 ルーペ 拡大率の異なるルーペを数種類取り揃えています。 スキャナー ・スキャンスナップ SV600(総合図書館・駒場図書館に設置) 原稿全体を均一に読み取ることができます。新聞や雑誌の見開きなどの大きなサイズの原稿や、とじられた本を切らずに、最大A3サイズまで読み取れます。また原稿を簡単に電子化できるので、印刷物のデータ化に最適です。 高輝度懐中電灯 ・ポリスティンガーLED 中・長距離以遠の確実な照射や焦点調節が可能で、屋内外問わず利用できます。 白杖 折りたたみ式と直杖があります。折りたたみ式は携帯しやすいので着席時等、収納性が求められる場面に適しています。直杖は破損し難いように作られています。 シミュレーションレンズトライアル 視覚障害疑似体験のためのセットです。レンズを入れ替えることにより、屈折異常、白濁、視野狭窄等の体験ができます。研修等でご活用ください。 -----p14 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈聴覚障害〉 支援機器名 製品名・機能・用途 補聴援助システム 話し手が持つ送信機に入力された音声が、離れた場所(約15メートルまたは20メートル以内)にいる聞き手の持つ受信機で受信され、話し手の声が聞き取りやすくなる補聴援助システムです。 以下の機種を準備しています。 【デジタルワイヤレス補聴援助システム (ロジャー)】 ・送信機 ロジャータッチスクリーンマイク/ロジャーパスアラウンドマイク ロジャーペン/ロジャーセレクト/ロジャーオン/ロジャーテーブルマイクII ・受信機 ロジャーネックループ ・線音源スピーカー ロジャーデジマスター ※シンポジウム等での貸出の相談も受け付けています。 対話支援システム マイクから入力された音声を、特殊なスピーカーで聴き取りやすいクリアな音声に変換するシステムです。 以下の機種があります。※各種マイク付属 ・comuoon connect ・comuoon mobile 携帯型磁気ループシステム 磁気ループとは、難聴者の聞こえを支援するシステムです。ループアンテナ内で誘導磁界を発生させ、音声磁場を作ることにより、補聴器や専用の受信機で目的の音・声だけを直接聞くことができます。 ※本機器は、経済学研究科で所有しています。ご利用を希望される方は、下記担当までご連絡ください。 【申し込み・問い合わせ】 受付時間:9時から17時 大学院経済学研究科・経済学部 電話番号:03-5841-5541(内線:25541) FAX番号:03-5841-5523 E-mail:jikiloop@e.u-tokyo.ac.jp 音声認識アプリケーション ・UDトーク/YYProbe マイク等から入力された音声を、音声認識機能を用いて文字(字幕)化するアプリです。 授業・ゼミ・会議のほか、研修・シンポジウム等様々な場面で活用できます。 UDトークでは、修正者を配置して音声認識したデータを修正することで、より正確な字幕が作成されます。 音声認識用マイクを使用することで、認識精度を上げることができます。 利用にあたっては、法人アカウント(サブアカウント)の貸出が可能です。 音声認識用マイク 音声認識アプリを用いる端末に、クリアな音声を入力するために使用します。 端末本体のマイクでも音声認識は可能ですが、音声認識用マイクを使用した方が認識精度は良くなります。 [無線タイプ] ・Amivoice Front WT01 ・SONYワイヤレスマイク ECM-AW4 ・RODE Wireless GoII [有線タイプ] ・Amivoice Front PM01 ・Amivoice Front ST01 ※Amivoice Front Hub01(ST01を複数同時に使うための機器) 透明ディスプレイ ・透明インターフェイスRalclear(レルクリア) 12.3インチ 音声認識アプリから表出される字幕を投影します。表裏両面から見ることができるため、話しているときの表情や仕草を見ながら文字化された会話内容を読むことができ、聞き手の理解度が向上します。 簡易筆談用具 ・かきポンくん/ジッキー(JIKKY) 磁気で書くのでインクは不要で、消去も簡単です。様々なシーンで気軽に使用できます。 腕時計型ワイヤレスチャイム 離れた位置の送信機から腕時計型の受信機に信号を送ります。受信機が振動することで、聴覚障害のある人へ合図を出したり呼び出したりすることができ、屋外での作業時などの注意喚起や安全確保に有効です。 骨伝導ヘッドホン 骨から直接内耳に音声を送るため、クリアに聞き取ることができます。耳をふさがず、耳の後ろに装着します。 [有線型]BN802-Black bonein/[無線型]ATH-CC500BT スクリーン 手話通訳背景用としての自立型スクリーンを使用することで、手話通訳の視認性が良くなります。 サイズ:グレー(200センチメートル×190センチメートル)、グリーン(148センチメートル×180センチメートル) -----p15 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈肢体不自由等〉 昇降机 高さ調節が可能な机です。また、前面に切り込みが入った、車いすでの使用に適したものなど、複数の形状・サイズのものがあります。 段差解消スロープ 折りたたみ式の携帯用スロープです。段差の状況に合わせて、使い分けます。 ・デクパック EBL(長さ:200センチメートル、135センチメートル、120センチメートル、80センチメートル) ・ケアスロープ(長さ:200センチメートル) ・ダンスロープゴー(長さ:82センチメートル) 入力スイッチ ・ジェリービーンスイッチ 約6センチメートルの操作面をもった円形のスイッチです。スイッチ面のどの部分を押しても作動、手・足・頸・顔のわずかな動きで操作することができます。 各種マウス ・トラックボールマウス、エルゴノミクスマウス など各種 手首や腕に負担をかけない形状のマウスで快適に操作することができます。(手の大きさに合わせて、サイズもいくつかあります) リクライニングチェア スライド式リクライニング、格納式フットレスト、ヘッドレストの付いた椅子です。 手動車いす スタンダードタイプの折り畳み式車いすです。 高齢者疑似体験教材 身体の不自由さなど高齢者に起こりやすい症状を擬似的に体験することができます。 研修等でご活用ください。 -----p16 〈精神・発達障害等〉 ノイズキャンセリングヘッドホン、耳栓 ・ソニーWH-1000XM5 ・Bose QuietComfort 45 など 周囲の雑音を低減することで静かな環境で聞くことができるヘッドホンです。 他に、大きな音や雑音を遮断するデジタル耳栓やイヤープラグなどもあります。 ソファベッド、簡易ベッド 体調不良時やクールダウンが必要なときなどに使用できます。 〈緊急災害時避難器具〉 非常用階段避難車 ・イーバックチェア ・キャリダン 地震・火災等の緊急災害時に、歩行困難者の階段避難をサポートする機器です。 非常用搬送具 ・エアーストレッチャー・ラップローバル・レイズローバル エアーバック方式の布で包み込み、安全ベルトで固定するラップ型担架です。 緊急時に階段でも自然に横になった状態で搬送でき、足から降ろすことができます。 固定器具 ・EMSボード 頭頸部と背部、大腿部が固定できるボードです。 -----p17 Chapter3 障害のある学生を受け入れるに当たって 視覚障害のある学生を受け入れるに当たって 1 視覚障害とは  視覚障害とは、眼球、視神経及び大脳視中枢等で構成される視覚系のいずれかに障害があるために、見ることが不可能または不自由な状態をいいます。大別すると、「盲」と「弱視」に分類されますが、障害の程度(見え方や見える範囲等)にはかなり個人差があります。例えば、「盲」といってもまったく見えない状態だけを指すわけでなく、明暗の区別がつく、目の前で手を振られているのがわかる等の状態も含みます。また、「弱視」といっても単に視力が低い状態のほか、見える範囲が狭い、中心部分が見えない、ドーナツ状に見えない部分がある、曇りガラスを通して見るように濁って見える、光を非常に眩しく感じる、明るいところではよく見えるのに暗いところでは突然見えにくくなる状態等、様々です。さらに、特定の色が認識しにくかったり、別の色に見えてしまったりする場合もあります。  そのため、支援ニーズも一人ひとり異なります。障害の程度に加えて、見えなくなった時期やこれまでの学習環境等によっても、周囲の状況把握や移動時の手段、文字情報へのアクセス方法等が異なるため、まずは、本人の見え方やこれまでの支援状況等を確認し、どのような支援が有効か、よく相談した上で支援を開始することが大切です。 2 視覚障害のある学生の初回面談に当たって (1)初回面談に当たっての準備  部局は、視覚障害のある学生から支援依頼を受けたら、当該学生及び関係者による初回面談を行います。面談に当たって、次の準備が必要です。 □ 面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 □ 当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 □ 「バリアフリー支援申込届」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 面談場所までのルート確認(歩行の妨げとなる危険物等がないか) -----p18 □ 誘導の必要性、待ち合わせ場所の確認 □ 面談時に資料を配付する場合には、希望する資料形態の確認 例:「1」拡大版(字体・文字の大きさや行間の広さ等を当該学生に確認)、「2」点字版、「3」テキストデータまたはアクセシブルPDF*の事前送付、「4」普通版で拡大読書器(バリアフリー推進オフィスにて貸出可)を使用 *アクセシブルPDF:スクリーンリーダー(音声読み上げソフト)での文書読み上げ(テキスト抽出)が可能な形式 ※詳しくは、バリアフリー推進オフィスにご相談ください。 (2)面談時の配慮 □ 視野が限られていたり、光を眩しく感じたりする場合、座る位置に配慮します。 □ 部屋に入ったら、部屋の様子と座る位置を簡単に説明します。 □ 誰がどの位置に座っているかを知らせるため、最初に進行役から順にひと回り名乗ります。面談中も誰が話しているのかわかるよう、発言前に名乗るほうがよいでしょう。中座したり、遅れて加わったりする場合は状況に応じてひと声かけます。 □ 話をするときは指示語の使用は避け、具体的な言葉を用います。 (例:そこ((右矢印))あなたの右) (3)確認事項  初回面談では、視覚障害のある学生へ、以下のことについて確認します。 □ 入試で特別措置申請を行った場合は、申請書にて障害に関する情報を得ていることを伝えます。 □ 障害のある学生の部局での相談窓口は支援実施担当者であること、バリアフリー推進オフィスにも相談できることについて説明します。 □ 障害のある学生への支援の流れについて、図「障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割」(P.7)に沿って説明、確認します。 □ 支援を希望する場合は、支援の実施に当たり関係する教員や職員、サポートスタッフ等へ、障害のある学生本人が抱える困難について知らせることの了承を得ておきます。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、サポートスタッフの募集や養成のために早期の準備が必要となることから、初回面談で、希望する支援内容を具体的に確認します。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、学期始めにサポートスタッフの募集・養成を行うため、最初は派遣が間に合わない可能性があることを伝え、その際の代替方法も面談の中で相談します。 □ 学外生活に対する支援は、公的支援制度等活用の情報を提供する範囲で行うことについて理解を得ておきます。 -----p19  さらに個別の確認事項については、下記の「視覚障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧」をご覧ください。 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈視覚障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧〉 1 障害の状況 障害・疾病名、身体障害者手帳の有無を聞く。手帳が有れば、等級の確認も行う。 2 障害の状態 視力 盲の場合、まったく見えないか、明暗はわかるか、物の形がわかるかを確認する。 弱視の場合、視力(度数)、視野(見える範囲/欠損部分)、明暗順応(遮光レンズ使用の有無)、色覚異常の有無を確認する。 発症時期 先天性か後天性かを確認する。 症状の進行の有無を確認する。 移動・歩行 白杖、ガイドヘルパー、盲導犬の利用の有無を確認する。 ・白杖の使用頻度(常時/部分的)を確認する。 ・単独歩行の可否(歩行訓練経験の有無)を確認する。 使用文字 墨字(普通の文字)、点字、その他の手段を使用しているかを確認する。 読みやすいフォント(字体・大きさ)を確認する。 墨字・点字とも使用不可の場合の代替手段を確認する。 使用機器・補助具等 使用機器・補助具等があるか確認する。 他の障害 他の障害、内科的疾患、合併症の有無を確認する。 3 入学後の住居 同居人の有無 1人住まいの場合、 ・1人住まいの経験の有無を確認する。 ・近隣の知人の有無を確認する。 ・一般賃貸か、東大学生宿舎か、他の学生寮か、その他かを確認する。 同居人がいる場合、同居人の詳細を確認する。 4 通学 方法 電車・バスか、徒歩か、車での送迎かを確認する。 経路 経路を確認する。 5 これまでの支援 小学校から高校までに受けた支援で、支援内容及び有効と感じた支援を確認する。 6 大学での支援希望 ・支援を希望するか、希望しないかを確認する。 支援を希望する場合 ・授業における支援内容(教科書等の電子データ化、実技実習科目への支援者配置、優先席の確保、授業担当教員への配慮依頼、補助具等の使用等)を確認する。 ・対面朗読室の使用希望等を確認する。 7 長期履修制度・書籍電子データ化 長期履修制度の紹介をする。 ・各研究科、学部で対応が異なるため確認をする。 ・申請時期について確認をする。 書籍電子データ化ではサービスについての紹介をする。 8 入学式・新入生ガイダンス 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 9 学生定期健康診断 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 -----p20 3 視覚障害のある学生の支援開始に当たって □ 当該学生より「支援に関する確認書」を受け取り、写しを当該学生に渡す □ 「支援に関する確認書」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 「支援実施計画調書」をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出  支援内容は、初回面談での相談をもとに本人を含む関係者間で協議し決定されます。複数の支援手段を順に試行しながら、最適な支援手段を決定することもあります。 -----p21 ○視覚障害のある学生への支援例  視覚障害のある学生への支援例を以下に示しました。 学内移動 授業を行う建物が複数あり、授業教室に一人でたどり着けるか不安がある。 〈支援例〉 環境案内:事前に当該学生と一緒に授業教室を回り、下記の事項等を含めて場所の確認を行います。 授業開始までに確認しておくことが望ましい事項例 □学生の動線に歩行の妨げになるような箇所や危険な箇所はないか □授業のある建物まで誘導用ブロックが敷設されている、あるいは目印となるものがあるか □教室の出入口に教室番号の拡大表示や点字表記があるか 等 研究室がある建物の入口付近が薄暗く、歩行に危険を感じている。 〈支援例〉 施設改善:学生が頻繁に利用する場所の照明を明るいものに交換します。また、階段等の段差がわかりやすいよう、段鼻に蛍光テープ等を貼り、視認性を高くします。 誘導用ブロック上にかかるように自転車や車が駐輪・駐車していたり、立て看板が置かれていたりして、移動の妨げになっている。 〈支援例〉 周囲への注意喚起:学生、教職員、納品等で入構する業者に対して口頭やポスター掲示等により注意を促します。守衛所に協力を依頼する場合もあります。 -----p22 授業 教科書や授業で配付される資料の内容が把握できない。 〈支援例〉 電子データでの提供:資料のデータがある場合は、学生に提供します。また、紙媒体しかない資料は、スキャナーで読み込んでPDFファイルにし、OCRソフトでテキスト情報を抽出します。電子データにすることにより、弱視の学生はパソコン上で自分の見やすい大きさに拡大したりコントラストを変更したりして読むことができ、盲の学生はスクリーンリーダー(音声読み上げソフト)を利用して内容を確認することができます。また、テキストファイルであれば点字データへの変換も可能です。 配付資料の読み上げ:電子データでの提供が間に合わない場合や困難な場合は、授業中にサポートスタッフが隣に座り、その場で資料の内容を読み上げるか、授業の前後に時間をとって対面朗読を行います。 ※大学附属図書館で、資料電子化サービスを行っています(P.62)。 授業中に配付・回収されるリアクションペーパーへの記入が難しい。 〈支援例〉 フォントの変更:弱視の学生の場合、そのままでは文字や細い罫線等を認識しにくいため、当該学生の希望を聞いて字体や文字の大きさを変更(例:明朝体・10.5ポイント((右矢印))ゴシック体・22ポイント)、罫線を太いものや認識しやすい色に変更する等、見やすく記入しやすい用紙を作成します。 提出方法の変更:筆記が困難な学生の場合、当該学生の口述内容をICレコーダーに録音したものや代筆者が記入したものを提出させる、点字で打ったものやパソコンで作成したデータを授業後に提出させる等、代替の提出方法を検討します。 ※筆記が可能な学生でも筆記に時間を要する場合は、同様の配慮が必要です。 -----p23 授業中に流れる映像教材の内容がわからない。 〈支援例〉 補助者による説明:当該学生の隣にサポートスタッフが座り、状況に応じて映像の内容を説明したり、字幕を読み上げたりします。 教材の貸出:学生が繰り返し聞いて内容を確認できるよう、映像教材の貸出を検討します。 板書やスライドの内容が確認できない。 〈支援例〉 内容の読み上げ:書かれた内容を可能な限り読み上げて、図表がある場合はその補足説明も加えると、当該学生の理解の助けとなります。説明の際は、指示語(「これ」「そこ」等)を避け、具体的な言葉に置き換えます。 優先席の設置:弱視の学生の場合、視力や視野、眩しさの感じ方、持ち込む補助具(単眼鏡、ルーペ、携帯型拡大読書器等)により見やすい位置は一人ひとり異なります。当該学生の希望に合わせ、見やすい位置を優先席として座席を確保します。 ※スライドを説明する際に使用するレーザーポインタの光が見づらい学生もいます。その場合、手または指示棒を使用する等の配慮が必要です。 ゼミやグループワークで誰が発言しているのかわからない。 また、自分が発言するタイミングがつかめない。 〈支援例〉 周囲への協力依頼:最初に、誰がどの位置に座っているのかわかるよう、順にひと回り名乗ります。その後も発言する前に必ず名乗ることを徹底します。 タイミングをみて指名:当該学生も参加できるよう、教員または進行役がタイミングをみて指名し、発言を促します。 -----p24 試験 一般の学生と同じ問題用紙では内容がわからない。 また、解答用紙への記入も難しい。 〈支援例〉 問題用紙の加工:点訳する、学生が読みやすいフォントに変更する等、当該学生に合わせて問題用紙や解答用紙を加工します。 解答方法の変更:点字による解答、パソコンによる解答、口述による解答(口述内容をICレコーダーに録音もしくは代筆者が解答用紙に記入する)等、当該学生の状態に合わせて解答方法の変更を検討します。 ※上記支援の実施に当たっては、事前に当該学生、支援実施担当者、バリアフリー推進オフィスとで面談を行い、当該学生の状態や試験内容等に合わせた「試験時の配慮依頼」を担当教員に送付の上、相談します。場合により「別室受験、時間延長」を併用することもあります。 その他 掲示板に掲示されている内容を確認することが難しい。 〈支援例〉 Webやメールによる情報提供:掲示物と同様の内容をWeb上で公開します。また、当該学生に直接関わる事項については、メールでも情報提供します。 窓口での閲覧・読み上げ:掲示物をファイリングし、当該学生が窓口に来たときにいつでも確認できるようにしたり、希望に応じて内容を読み上げたりします。 事務に提出する書類に自筆で記入することが難しい。 〈支援例〉 職員や介助者による代筆:事務手続き等に必要な書類への記入が難しい場合、当該学生の求めに応じて、窓口で対応した職員が代筆します。また、同行の介助者等がいる場合は、介助者の代筆による手続きを認めます。 -----p25 聴覚障害のある学生を受け入れるに当たって 1 聴覚障害とは  聴覚障害とは、音声情報を大脳に送る部位(外耳、中耳、内耳、聴神経)のいずれかに障害があるために、聞こえにくい、あるいは聞こえなくなっている状態のことをいいます。一口に聴覚障害といっても、聞こえ方には個人差があります。例えば「音量が小さくなったようになり、聞き取りにくい」「音質が歪んだようになり、音は聞き取れるが内容が聞き分けにくい」「補聴器をつけても音や音声がほとんど聞き取れない」等、様々です。また、聞こえ方は環境にも依存し、周囲の雑音や反響音の有無、相手の話し方等によって変化します。静かな場所における1対1の会話では問題なく受け答えができていても、大教室で周囲に人が大勢いる環境では「聞こえない」、あるいは「聞こえにくい」という状況が生じることもあります。  コミュニケーション手段もまた、聴覚障害の種類や程度のみならず、聴覚障害が生じた時期や、教育歴等によって、一人ひとり異なります。残存聴力の活用、口話、筆談、空書、手話等を使用する人あるいは、それらを組み合わせたコミュニケーション手段を用いる人も少なくありません。  以上のことから、支援に当たっては、まずは、本人の障害の状態やこれまで受けてきた支援状況を確認し、どのような支援が有効かよく相談した上で開始することが大切です。 2 聴覚障害のある学生の初回面談に当たって (1)初回面談に当たっての準備  部局は、聴覚障害のある学生から支援依頼を受けたら、当該学生及び関係者による初回面談を行います。面談に当たって、次の準備が必要です。 □ 面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 □ 当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 □ 「バリアフリー支援申込届」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 情報保障の必要性の確認 ※情報保障:聴覚障害のある学生が、他の学生と同質・同量の情報を得て、その場に参加できるようにするための支援を指します。個々の学生の状況により、希望する情報保障の種類が異なります。(以下、参照) □ 情報保障が必要な場合には、情報保障の種類の確認 -----p26 例:「1」パソコンテイク、「2」ノートテイク、「3」手話通訳、「4」補聴援助システム(バリアフリー推進オフィスにて貸出可) ※詳しくは、バリアフリー推進オフィスにご相談ください。 (2)面談時の配慮 □ 静かで音の反響が少ない部屋を準備します。 □ 聴覚障害のある学生の座席は、出席者の口形が読み取りやすく、全体が見わたせる位置にします。また、情報保障を活用する場合には、それぞれの情報保障手段に適した座席位置を準備します。適した座席位置は、照明や窓の位置によっても異なりますので、個々の状況に合わせた対応ができるよう心がけます。 (3)確認事項  初回面談では、聴覚障害のある学生へ、以下のことについて確認します。 □ 入試で特別措置を行った場合は、申請書にて障害に関する情報を得ていることを伝えます。 □ 障害のある学生の部局での相談窓口は支援実施担当者であること、バリアフリー推進オフィスにも相談できることについて説明します。 □ 障害のある学生への支援の流れについて、図「障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割」(P.7)に沿って説明、確認します。 □ 支援を希望する場合は、支援の実施に当たり関係する教員や職員、サポートスタッフ等へ、障害のある学生本人が抱える困難について知らせることの了承を得ておきます。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、サポートスタッフの募集や養成のために早期の準備が必要になりますので、初回面談で、希望する支援内容を具体的に検討する必要があります。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、学期始めにサポートスタッフの募集・養成を行うため、最初は派遣が間に合わない可能性があること、その際の代替方法も面談の中で相談することを伝えます。 □ 学外生活に対する支援は、公的支援制度活用の情報を提供する範囲で行うことについて理解を得ておきます。  さらに個別の確認事項については、右記の「聴覚障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧」をご覧ください。 -----p27 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈聴覚障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧〉 1 障害の状況 障害・疾病名、身体障害者手帳の有無を聞く。手帳が有れば、等級の確認も行う。 2 障害の状態 聴力 聴力レベル(dB)を確認する。 補聴機器 【補聴器】 装用の有無、装用時期、種類、メンテナンスについて確認する。 音声の聞こえの状態(例:マイク等機器を通した音声の聞こえの違い、環境による違い等)を確認する。 首都圏のかかりつけの補聴器センターの有無を確認する。 【人工内耳】 装用の有無、装用時期、種類について確認する。 音声の聞こえの状態(例:マイク等機器を通した音声の聞こえの違い、環境による違い等)を確認する。 【補聴援助システム】 使用経験の有無、種類について確認する。 ・使用が有効かどうかを確認する。 ・自分で所有しているかどうかを確認する。 ・関連する情報は必要かを確認する。 コミュニケーション 手段(聴覚口話、筆談、手話)について確認する。 ・1対1の場合を確認する。 ・集団の場合(ディスカッション、ゼミ等)を確認する。 通院 かかりつけ医の有無を聞く。 首都圏のかかりつけ医の有無の確認も行う。 他の障害 他の障害、内科的疾患、合併症の有無を確認する。 ・めまいの確認も行う。 3 入学後の住居 同居人の有無 1人住まいの場合、 ・1人住まいの経験の有無を確認する。 ・近隣の知人の有無を確認する。 ・一般賃貸か、東大学生宿舎か、他の学生寮かを確認する。 同居人がいる場合、同居人の詳細を確認する。 4 通学 方法 電車・バスか、徒歩かを確認する。 経路 経路を確認する。 5 これまでの支援 小学校から高校までに受けた支援を確認する。 ・ろう学校、難聴学級、施設等への通学・通所経験の有無を確認する。 ・授業時にどのような支援を受けていたかを確認する。 ・どのような支援が有効と感じたかを確認する。 ・情報保障を受けた経験の有無を確認する。 ・どのような情報保障が有効と感じたかを確認する。 ・支援に関する情報を集めたり、見聞きしたことはあるかを確認する。 6 大学での支援希望 ・支援を希望するか、一部希望するか(例:外国語のみ)、希望しないかを確認する。 支援を希望する場合 ・授業における支援の内容(優先席の確保、授業担当教員への配慮依頼、リスニングへの対応、情報保障の方法〈補聴援助システム、パソコンテイク、ノートテイク等〉)を確認する。 7 長期履修制度 制度の紹介をする。 ・各研究科、学部で対応が異なるため確認をする。 ・申請時期について確認をする。 8 入学式・新入生ガイダンス ・支援を希望するか、希望しないかを確認する。 ・希望する場合、どのような支援内容を希望するのか(情報保障の内容)を確認する。 9 学生定期健康診断 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 -----p28 3 聴覚障害のある学生の支援開始に当たって □ 当該学生より「支援に関する確認書」を受け取り、写しを当該学生に渡す □ 「支援に関する確認書」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 「支援実施計画調書」をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出  支援内容は、初回面談での相談をもとに本人を含む関係者間で協議し決定されます。複数の支援手段を順に試行しながら、最適な支援手段を決定することもあります。 -----p29 ○聴覚障害のある学生への支援例  聴覚障害のある学生への支援例を以下に示しました。 オリエンテーション オリエンテーションで話している内容がわからない。 〈支援例〉 情報保障:音情報をパソコンに入力して文字化して伝えるパソコンテイカーや、音情報をノートに筆記して伝えるノートテイカーを派遣したり、手話通訳を派遣したりして、内容を視覚的に提示します。 授業 授業中の先生や学生の発言が聞き取れるか、あるいは先生から質問されても内容がわからず答えられないのではないかと不安である。 〈支援例〉 優先席の設置:教室内で、学生がもっとも音声を聞き取りやすい位置に優先席を設けます。左右の聞こえに差があるケースもあるため、教室内の具体的な位置を事前に本人と確認します。 補聴援助システムの利用:話者が送信機(マイク)を持ち、学生が持つ受信機に直接音声を届けるシステムを利用します。 パソコンテイク(パソコン文字通訳):2名のパソコンテイカーが連携入力し、授業中の音情報をノートパソコンに入力して伝えます。教室内で2から3台のパソコンを接続して行うもので、機材の準備が必要です。ほぼリアルタイムに音情報が字幕化され、情報量が多いのが特徴ですが、数式や図表、グラフ等への対応は難しくなりがちです。 (図)優先席を示すマーク ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ バリアフリー優先席 ○曜○限「○○○○」の時間はこの座席への着席はご遠慮ください。 Priority seat for students with special needs. 東京大学●●学部/バリアフリー推進オフィス 優先席には上記のマークが記されます。 (図の説明) これは、バリアフリー優先席であることを示すマークである。 (図)パソコンテイクの概念図 ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ (図の説明) ハブを介して、PCテイカー2名が、聴覚障害学生を支援していることを示している。 次ページへ続く -----p30 ノートテイク(筆記通訳):2名のノートテイカーが学生の隣に座り、交代しながら授業中の音情報をルーズリーフに書き取って伝えます。手書きで要約しながら書くため情報量が限られますが、特別な機材の必要がなく、数式や図表、グラフ等が多用される授業に適しています。 ノート作成:学生が授業中、音声を聞き取ることに集中していてノートをとれない場合や、聞きもらしが心配なときに、サポートスタッフが授業ノートを作成します。 ※これらのサポートは、授業形態や教員の話し方の特徴、学生の希望等に応じて組み合わせながら行います。なお、学期途中でも支援の内容の変更は可能です。 (図)ノートテイクの概念図 ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ (図の説明) ノートテイカー2名が聴覚障害学生の両隣に座り、支援していることを示している。 語学の授業で、リスニング教材の音声がわからない。 〈支援例〉 事前貸出:難聴の学生の場合、音声教材を事前に入手し、マイクや放送機材を通さずに聞けるようにします。 補助学習:難聴の学生の場合、スクリプトを見ながら音声を聞く補助学習の時間を別途設けます。 履修振替:リスニングのない科目に履修を振り替えます。 ゼミ形式の授業では、誰がどこで発言しているのか把握できない。 〈支援例〉 レイアウトの工夫:ゼミの進行状態を把握できるように、学生、進行役、パソコンテイカー等の情報保障者、受講生の座席の配置やスクリーンの配置を検討します。 発言者への協力依頼:複数の受講生が同時に発言すると、学生は議論の内容を把握することが非常に困難になるので、同時に発言しないようゼミの開始時に注意を促します。また、発言の際は手を挙げてから発言するようにし、発言者が誰かを視覚的にわかるようにします。 -----p31 字幕のない映像教材の内容が把握できない。 〈支援例〉 音声の文字起こしとスクリプトの提供:事前に教材を入手し、作成します。 字幕の作成:事前に教材を入手し、字幕を挿入します。 実験・実習での注意事項が伝わらなかったり、危険を察知できなかったりするのではないかと不安である。 〈支援例〉 情報保障:実験・実習は動きを伴うため、ノートテイクや手話通訳等、移動に対応できる情報保障の形態を選択し、注意事項を伝えます。 注意喚起:薬品や特殊機器を扱い危険を伴う場合は、想定できる限りの注意事項を当該学生に事前資料として配付するほか、開始時に注意事項の内容確認をする等します。 ※上記支援の実施に当たっては、事前に、学生、支援実施担当者、実験担当の教員、バリアフリー推進オフィスとで面談を行い、支援内容を相談し、安全に履修できるようにします。 試験 試験日程やレポート課題に関する正確な情報が入手できたか不安を感じている。 〈支援例〉 情報保障:日程、課題、注意事項について情報漏れがないよう、板書したり、メモを渡したりすることで情報を視覚的に伝えます。 -----p32 必修科目のリスニングの問題内容がわからない。 〈支援例〉 聴取方法の変更:別室受験で、スピーカーを通さずに聞いたり、補聴援助システムを利用したりする等して、聴取方法を工夫します。 代替措置:レポート等への振り替えを検討します。 ※上記支援の実施に当たっては、事前に学生、支援実施担当者、担当教員、バリアフリー推進オフィスとで面接を行い、当該学生の状態や試験内容等に合わせた「試験時の配慮願い」を担当教員に提出します。 -----p33 肢体不自由のある学生を受け入れるに当たって 1 肢体不自由とは  肢体不自由とは、身体の動きに関する器官が、病気やけがで損なわれ、歩行や筆記等の日常生活動作が困難な状態をいいます。  障害の部位や程度によりかなり個人差があります。例えば、左右どちらか片側の手や腕、足に障害がある場合、あるいは両方の手や腕、足や全身の運動動作が不自由という場合もあります。また障害の程度も、学生生活にさほど困難を感じない程度から、立ったり歩いたり等の動作に支障があるため杖や車いすや補装具等を必要とする程度、介助を要する程度等、様々です。  そのため、支援ニーズも一人ひとり異なります。杖や車いすを使用する学生には、数センチの段差や坂道が移動の妨げとなります。手指や腕の動作が困難な学生には、文字を書いたり教科書のページをめくったり等の細かな手先の作業は難しい面があります。まずは、本人の障害の状態やこれまで受けてきた支援状況を確認し、どのような支援が有効かをよく相談した上で、支援を開始することが大切です。 2 肢体不自由のある学生の初回面談に当たって (1)初回面談に当たっての準備  部局は、肢体不自由のある学生から支援依頼を受けたら、当該学生及び関係者による初回面談を行います。面談に当たって、次の準備が必要です。 □ 面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 □ 当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 □ 「バリアフリー支援申込届」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 面談場所までのアクセスの確認 □ 駐車場の必要性の確認 □ 既設トイレ使用の可否の確認 □ 体温調節の可否の確認 (2)面談時の配慮 □ 面談時の座席について、車いすから椅子に移乗する場合と車いすのままの場合があり -----p34、p35 ますので、どちらも選択できるよう準備します。 □ 椅子を使用する場合は、着席時に危険のないよう、キャスターの付いていない安定した椅子を用意します。 □ 椅子を使用しない場合は、車いすのまま着席できるよう机下に膝や下肢がぶつからないスペースのある机を、出入口からアプローチしやすい位置に準備します。 (3)確認事項  初回面談では、肢体不自由のある学生へ、以下のことについて確認します。 □ 入試で特別措置申請を行った場合は、申請書にて障害に関する情報を得ていることを伝えます。 □ 障害のある学生の部局での相談窓口は支援実施担当者であること、バリアフリー推進オフィスにも相談できることについて説明します。 □ 障害のある学生への支援の流れについて、図「障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割」(P.7)に沿って説明、確認します。 □ 支援を希望する場合は、支援の実施に当たり関係する教員や職員、サポートスタッフ等へ、障害のある学生本人が抱える困難について知らせることの了承を得ておきます。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、サポートスタッフの募集や養成のために早期の準備が必要になりますので、初回面談で、希望する支援内容を具体的に検討する必要があります。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、学期始めにサポートスタッフの募集・養成を行うため、最初は派遣が間に合わない可能性があること、その際の代替方法も面談の中で相談することを伝えます。 □ 学外生活に対する支援は、公的支援制度等活用の情報を提供する範囲で行うことについて理解を得ておきます。  さらに個別の確認事項については、下記の「肢体不自由のある学生との初回面談における主な確認事項一覧」をご覧ください。 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈肢体不自由のある学生との初回面談における主な確認事項一覧〉 1 障害の状況 障害・疾病名、身体障害者手帳の有無を聞く。手帳が有れば、等級の確認も行う。 2 障害の状態 共通 主治医が誰か確認する。 授業・学生生活への影響(教室・トイレ・公共施設へのアクセス状況)を確認する。 下肢機能 移動手段 ・車いす(電動、手動)か、杖か、その他かを確認する。 ・段差や坂道の単独移動は可能かを確認する。 立位 可能か、短時間なら可能か、不可かを確認する。 トイレ形式 ・車いす対応トイレか通常の洋式トイレ(手すりは必要か)を確認する。 ・排泄機能等について確認する。 ・紙オムツ使用について確認する。(紙オムツ処理容器が必要か確認) 補装具を確認する。 体幹機能 座位可能か、短時間なら可能か、不可かを確認する。 上肢機能 書字、PC操作が可能かを確認する。 困難な場合、支援機器についても確認する。 コミュニケーション 発話が可能かを確認する。 表出困難の場合、コミュニケーション機器についても確認する。 他の障害 他の障害、内科的疾患、合併症の有無を確認する。 3 入学後の住居 同居人の有無 1人住まいの場合、 ・1人住まいの経験の有無を確認する。 ・近隣の知人の有無を確認する。 ・一般賃貸か、東大学生宿舎(追分国際学生宿舎、豊島国際学生宿舎、目白台インターナショナルビレッジ、インターナショナル・ロッジ柏ロッジにバリアフリールームあり)か、他の学生寮かを確認する。 ・ヘルパー利用の確認をする。 同居人がいる場合、同居人の詳細を確認する。 4 通学 方法 電車・バスか、自動車(送迎含む)か、徒歩かを確認する。 経路 経路を確認する。 5 これまでの支援 小学校から高校までに受けた支援で、支援内容及び有効と感じた支援を確認する。 6 大学での支援希望 ・支援を希望するか、希望しないかを確認する。 ・授業における支援内容(優先席の確保、授業担当教員への配慮依頼、実技や実験時の支援等)を確認する。 7 長期履修制度・書籍電子データ化 長期履修制度の紹介をする。 ・各研究科、学部で対応が異なるため確認をする。 ・申請時期について確認をする。 書籍電子データ化ではサービスについての紹介をする。 8 入学式・新入生ガイダンス 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 9 学生定期健康診断 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 -----p36 3 肢体不自由のある学生の支援開始に当たって □ 当該学生より「支援に関する確認書」を受け取り、写しを該当学生に渡す □ 「支援に関する確認書」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 「支援実施計画調書」をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出  支援内容は、初回面談での相談をもとに本人を含む関係者間で協議し決定されます。複数の支援手段を順に試行しながら、最適な支援手段を決定することもあります。 ○肢体不自由のある学生への支援例  肢体不自由のある学生への支援例を以下に示しました。 施設整備 入学後に、車いすで授業のある教室へ行くことができるか不安を感じている。 〈支援例〉 動線に沿ったバリアフリーチェック:当該学生、支援実施担当者、施設担当者、バリアフリー推進オフィス等関係者による「入学後の動線に沿ったバリアフリーチェック」を早期に実施します。 教室のある建物にはスロープがなく、車いすでアクセスできない。 〈支援例〉 教室変更:授業の教室を、車いすでアクセス可能な建物の教室へ変更します。 施設整備:建物にスロープあるいは段差解消機を設置して、段差をなくし、教室へのアクセスを可能にします。 (写真)▲〈施設工事例〉建物入口の段差解消 (写真の説明) この写真は、肢体不自由のある学生が利用できるよう、スロープを設置して段差を解消している例である。 -----p37 授業 教室の机と椅子が固定されていて、車いすで机を使用することが難しい。 〈支援例〉 専用机の設置:教室内の空きスペースに、専用机を設置します。バリアフリー推進オフィスで、昇降可能な机の貸出を行っています。 椅子の撤去・優先席の設置:車いすのまま机を使用できるよう、固定されている椅子を一部撤去して可動椅子に替えて優先席とします。 (図)優先席を示すマーク ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ バリアフリー優先席 ○曜○限「○○○○」の時間はこの座席への着席はご遠慮ください。 Priority seat for students with special needs. 東京大学●●学部/バリアフリー推進オフィス 優先席には上記のマークが記されます。 (図の説明) これは、バリアフリー優先席であることを示すマークである。 出入口付近の机にしか車いすでアクセスできない構造の教室で、他の学生が先に座っているため使用できる机がなくなってしまう。 〈支援例〉 優先席の設置:教室出入口近く等の車いすで利用しやすい座席を確保し、優先席とします。 体温を維持することが難しく、特に夏場と冬場は授業に出ると体調を崩してしまう。 〈支援例〉 教室の温度調節:体温を維持することが難しい学生の場合には、教室の温度を一定に保つよう調節します。 優先席の設置:教室内の空調設備近く、または遠くに、体調管理しやすい座席を確保し、優先席とします。 -----p38 手指の運動に困難があり、ノートをとることが難しい。 〈支援例〉 ノート作成:サポートスタッフが、授業ノートを作成します。 パソコンや補助機器等の持ち込み:パソコンや補助機器の利用により筆記が可能となる場合は、授業中の持ち込みについて、検討します。 ※その他、授業形式等によっては授業の録音許可等の状況に応じた支援を検討することもあります。 手指の運動に困難があるため、出席カードやリアクションペーパーを授業時間内に提出することが難しい。 〈支援例〉 授業後の提出:授業後の提出について、検討します。 代替方法による提出:代筆者が当該学生の口述する内容を代筆したり、当該学生が授業後にパソコンで記入したり、状態に合わせた提出方法の変更を検討します。 試験 手指の運動に困難があり、解答用紙への記入が難しい。 〈支援例〉 解答方法の変更:解答用紙の拡大、パソコンによる解答、口述内容をICレコーダーに録音もしくは代筆者が解答用紙に記入、別室での試験時間延長等、当該学生の状態に合わせて解答方法の変更を検討します。 ※上記支援の実施に当たっては、事前に当該学生、支援実施担当者、担当教員、バリアフリー推進オフィスとで面談を行い、当該学生の状態や試験内容等に合わせた「試験時の配慮願い」を担当教員に提出します。 -----p39 その他 掲示板の前には、いつも人がたくさんいて近くに行くことができなかったり、高い位置に掲示されていたりして、車いすから見ることができない。 〈支援例〉 Webによる情報提供:掲示物と同様の内容をWeb上で公開します。 掲示物のファイリング:掲示物をファイリングし、窓口でも見ることができるようにします。 最寄駅がバリアフリーになっておらず、公共交通機関による通学ができない。自家用車での通学を認めてほしい。 〈支援例〉 車両入構特待許可証の発行:年間利用負担金が無料となる「特待許可証」の発行を検討します。 専用駐車場の設置:授業のある教室や研究室へのアクセスがしやすい場所・悪天候でも使いやすい場所に「専用駐車場」の設置を検討します。 (写真)▲キャンパス内の専用駐車場表示 (写真の説明) この写真は、肢体不自由のある学生が常時利用できるように、専用駐車場を確保している例である。 -----p40 内部障害、慢性疾患のある学生を受け入れるに当たって 1 内部障害、慢性疾患とは  内部障害には、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害、肝臓機能障害、の7つの障害があります。  進行性の疾患を伴っていることも多く、症状の変化で不安を抱えていたり、継続的な医療ケアが必要な方もいます。十分に休息が取れる場所の確保や周囲の理解ある配慮が欠かせません。  内部障害の定義には含まれませんが、その他の慢性疾患も学校生活や社会生活を送る上で活動が制限されます。また、一部の神経・筋疾患等では、進行性の経過を理解している必要があります。  内部障害、慢性疾患等の学生は、本人が申告しない限り外見からは健康な学生と区別がつかないことが少なくありません。申し出ずに学生生活をスタートし、発作や体調不良による長期欠席等の問題が発生してから対応を迫られる場合も少なくありません。他の障害のある学生同様に修学上の支援を受けられる体制があることを周知し、学生が安心して学生生活を送れる環境を作る必要があります。一般的に過労にならないように留意し、通院等による授業欠席の取り扱い等を取り決めておく必要があります。授業担当教員等、周囲の配慮が必要ですが、周囲へ理解を求めることについては、プライバシーを考慮し、本人の意向を尊重する必要があります。 2 内部障害、慢性疾患のある学生の初回面談に当たって (1)初回面談に当たっての準備  部局は、内部障害、慢性疾患のある学生から支援依頼を受けたら、当該学生及び関係者による初回面談を行います。面談に当たって、次の準備が必要です。 □ 面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 □ 当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 □ 「バリアフリー支援申込届」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 面談場所までのアクセスの確認 □ 駐車場の必要性の確認 -----p41 (2)面談時の配慮 □ 面談時間について、体調に配慮します。 (3)確認事項  初回面談では、内部障害、慢性疾患のある学生へ、以下のことについて確認します。 □ 入試で特別措置申請を行った場合は、申請書にて障害に関する情報を得ていることを伝えます。 □ 障害のある学生の部局での相談窓口は支援実施担当者であること、バリアフリー推進オフィスにも相談できることについて説明します。 □ 障害のある学生への支援の流れについて、図「障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割」(P.7)に沿って説明、確認します。 □ 支援を希望する場合は、支援の実施に当たり関係する教員や職員、サポートスタッフ等へ、障害のある学生本人が抱える困難について知らせることの了承を得ておきます。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、サポートスタッフの募集や養成のために早期の準備が必要になりますので、初回面談で、希望する支援内容を具体的に検討する必要があります。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、学期始めにサポートスタッフの募集・養成を行うため、最初は派遣が間に合わない可能性があること、その際の代替方法も面談の中で相談することを伝えます。 □ 学外生活に対する支援は、公的支援制度等活用の情報を提供する範囲で行うことについて理解を得ておきます。  さらに個別の確認事項については、以下の「内部障害、慢性疾患のある学生との初回面談における主な確認事項一覧」をご覧ください。 -----p42 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈内部障害、慢性疾患のある学生との初回面談における主な確認事項一覧〉 1 障害及び疾患の状況 障害・疾病名、身体障害者手帳(診断書)の有無を聞く。 進行性か否か、手帳が有れば等級の確認も行う。 2 障害の状態 共通 主治医が誰か確認する。 活動制限(授業・学生生活への影響)を確認する。 心臓疾患 ペースメーカー、発作、運動制限の状況を確認する。 ・ペースメーカー装用の有無を確認する。 ・発作の頻度及び対応方法を確認する。 糖尿病 I型かII型か、食事制限、インスリン注射の場合、低血糖時の対応、合併症について確認する。 ・キロカロリー/日を確認する。 ・頻度、時間、単位を確認する。 腎臓病 人工透析の有無、運動制限の状況、食事制限を確認する。 ・人工透析の場合は、頻度、時間を確認する。 てんかん 原因となる疾患、発作について確認する。 ・頻度、対応方法についても確認する。 ぜんそく等呼吸器系疾患 発作について確認する。 ・頻度、対応方法についても確認する。 アレルギー性疾患 服薬による影響(眠気、集中力低下等の有無)を確認する。 頻尿 原因(神経性or疾病)を確認する。 耐性時間を確認する。 感覚過敏 何に対して過敏かを確認する。 神経・筋疾患 運動、移動の制限、緊急時対応を確認する。 3 入学後の住居 同居人の有無 1人住まいの場合、 ・1人住まいの経験の有無を確認する。 ・近隣の知人の有無を確認する。 ・一般賃貸か、東大学生宿舎か、他の学生寮かを確認する。 ・ヘルパー利用の有無を確認をする。 同居人がいる場合、同居人の詳細を確認する。 4 通学 方法 電車・バスか、自動車(送迎含む)か、徒歩かを確認する。 経路 経路を確認する。 5 これまでの支援 小学校から高校までに受けた支援で、支援内容及び有効と感じた支援を確認する。 6 大学での支援希望 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 支援を希望する場合 ・定期的な面談について確認する。 ・教員への配慮依頼(授業時)を確認する。 ・教員への配慮依頼(試験時)を確認する。 ・休憩室・スペースについて確認する。 ・入学前諸手続での配慮について確認する。 ・体育での実技(実技あり/なし)(メディカル・ケア履修希望)について確認する。 ・緊急連絡体制を確認する。 7 長期履修制度 長期履修制度の紹介をする。 ・各研究科、学部で対応が異なるため確認をする。 ・申請時期について確認をする。 8 入学式・新入生ガイダンス 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 9 学生定期健康診断 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 -----p43 3 内部障害、慢性疾患のある学生の支援開始に当たって □ 当該学生より「支援に関する確認書」を受け取り、写しを当該学生に渡す □ 「支援に関する確認書」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 「支援実施計画調書」をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出  支援内容は、初回面談での相談をもとに本人を含む関係者間で協議し決定されます。複数の支援手段を順に試行しながら、最適な支援手段を決定することもあります。 -----p44 ○内部障害、慢性疾患のある学生への支援例  内部障害、慢性疾患のある学生への支援例を以下に示しました。 学内生活 心臓や腎臓等に内部障害があるため、行列に長時間並ぶことは、体力的に難しい。 〈支援例〉 入学諸手続きの負荷軽減:行列に並ばなくてもすむよう、指定日時の開始時刻前や終了時刻に来てもらい、手続きを行えるようにします。 入学時健康診断の負荷軽減:保健センターに依頼し、指定日の指定時刻に受診できるようにして、待ち時間の負担を減らします。 最寄駅がバリアフリーになっておらず、公共交通機関による通学ができない。自家用車での通学または家族による自家用車での送迎を認めてほしい。 〈支援例〉 車両入構特待許可証の発行:年間利用負担金が無料となる「特待許可証」の発行を検討します。 専用駐車場の設置:授業のある教室や研究室へのアクセスがしやすい場所・悪天候でも使いやすい場所に「専用駐車場」の設置を検討します。 てんかん発作があり、抗けいれん剤を服用しているが、発作時の対応が不安である。 〈支援例〉 緊急連絡先の共有:家族、主治医を含む緊急連絡先を作成し、関係者間で情報を共有します。 -----p45 授業 運動に制限があり、階段昇降ができない。 また前期課程必修の身体運動実技の履修が難しい。 〈支援例〉 教員への配慮依頼:担当教員へ当該学生の授業時の配慮を依頼します。 教室変更:履修科目の教室を1階やエレベーターのある建物内の教室に変更します。 実技のない身体運動科目の履修:実技のない座学科目の「メディカル・ケア」を紹介します。 アトピー性皮膚炎のため、服薬している。薬の影響で朝起きられず1限は遅刻する可能性が高い。また授業中に集中力が低下することがある。 〈支援例〉 担当教員への説明:担当教員との面談を設定し、理解を得ます。 履修についての助言:学務担当者等から履修についての助言を行います。 感覚過敏のため、冷房にあたると体調を崩してしまう。 〈支援例〉 優先席の設置:教室内の空調吹き出し口から離れた座席を確保し、優先席とします。 -----p46 試験 糖尿病による低血糖予防のため、ブドウ糖の補食が必要となることがある。 ブドウ糖を入れたポーチを机上におき、必要が生じたときに補食をすることを認めてほしい。 〈支援例〉 別室受験:試験前に担当教員に配慮依頼文書を送るとともに、試験監督教員へも同様の依頼を行います。 頻尿のため、試験時等の緊張場面では我慢できなくなる。 トイレに行くための中座を認めてもらえないか。 〈支援例〉 別室受験:別室受験とし、中座への対応をします。 復学支援 腎臓病のため入院していたが、復学後も週3日人工透析のため通院する必要があり、単位の取得に不安がある。 〈支援例〉 復学前面談:必要に応じ支援実施担当者、学務担当者、担当教員との面談を行い、履修についての助言、復学後の対応方法について検討します。 -----p47 発達障害・精神障害のある学生を受け入れるに当たって 1 発達障害・精神障害とは (1)発達障害  発達障害は知的障害、自閉スペクトラム症、注意欠如/多動症、学習障害、チック症等に分類されます。ここでは、大学で支援を要することが多い、自閉スペクトラム症、注意欠如/多動症、学習障害に含まれる書字障害について説明します。 ・自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)  自閉スペクトラム症は、心理社会的機能、組織化と計画(情報を統合して、必要な行動を計画すること)、認知の柔軟性(考え方や行動を臨機応変に変えること)が乏しく、感覚過敏、情動制御の障害を伴うことがあります。対人関係や臨機応変な行動に困難があり、結果として、インタラクティブな授業や、自分で情報を取捨選択して課題を進める実習で支障をきたすことや、自分のやり方に固執して効率よく学習を進められないこと等があります。また、通常の教室での物音を強く不快に感じたり、授業中に“パニック”になったりして、教室に居られないこと等があります。 ・注意欠如/多動症(attention deficit / hyperactivity disorder:ADHD)  注意欠如/多動症は注意機能、衝動の制御が低下する特徴を持ちます。多動症とありますが、成人期前後で多動が認められることは稀です。その一方で、時間管理がうまくできないことがあります。集中力やスケジューリングに困難があり、授業中に重要な情報を聞き逃す等して本来の能力を発揮できないことや、困難な課題を先送りして結局達成できないこと等があります。 ・学習障害(書字障害)  書字障害は、書き言葉の表出に困難を持ちます。医学的な概念では、綴字、文章の水準での書字表出の困難を学習障害と定義されています。一方で、医学的概念では発達性協調運動障害(運動障害の一種)とされる、随意運動の協調に障害(不器用)があって結果として書字に困難を持つ場合も、書字障害とすることがあります。書き言葉の表出あるいは随意運動の協調の障害のために、筆記が必要な課題に支障をきたすことがあります。また、多くの場合、一定の時間をかければ読むことが可能な字を書けますが、結果として多くの時間を要し、例えば試験時間が足りなくなるという事態が生じることがあります。 -----p48  前述のように発達障害は、その下位分類によって想定される機能の障害が異なり、有効な配慮も異なります。配慮の基本は、想定される機能障害により生じている不利を取り除くことになります。また、複数の発達障害が合併、あるいは他の精神障害が合併している場合が多いことに留意する必要があります。 (2)精神障害  発達障害以外の精神障害には様々な疾患が含まれており、すべての精神障害について個々に述べることはできませんが、大学での配慮を実施するに当たって、知っておいた方が良い大枠について述べます。精神障害は、特定の機能に障害があるかどうかは不明確なことが多い一方で、特定の症状のために学習に困難をきたすことで、配慮の対象となります。 ・統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、抑うつ障害(うつ病)  統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、抑うつ障害(うつ病)についてですが、これらの精神障害は、幻覚・妄想状態、躁状態・うつ状態のために、状態が悪いときには日常生活が成立しなくなることが稀ではありません。その場合、大学に来たところで配慮を行うというよりも、登校できない間の保障(出席点の扱い、課題提出期限、定期試験)をどの程度行うかという観点で配慮を考える必要があります。また、復学後にも精神症状が残存していることが一般的で、薬物療法による眠気、手指の震え等の副作用が生じていることも少なくありません。 ・不安症、強迫症、身体症状症  不安症、強迫症では、ゼミ等の集団場面での不安や、黒板を見る等特定の行動に伴う不安のために、その活動を回避するという事態が生じることがあります。また、身体症状症では、精神的ストレスによって身体疾患・障害と区別が難しい症状が生じますが、基本的には身体障害に準じた配慮を考えることになります。不安症、強迫症、身体症状症で対応が難しいのは、配慮を提供することで、回避を助長し症状の改善を遅らせる可能性があることです。したがって、症状の改善を意図した取り組みと、学習の水準を維持・向上させる配慮のバランスに注意を要し、医師あるいは臨床心理士と情報を共有しながら配慮を考える必要があります。 ・適応障害  適応障害はストレスになる事柄が明確にあって、結果として不安症状、抑うつ症状(抑うつ気分、意欲の低下)が出現している状態です。抑うつ障害(うつ病)、不安症と区別 -----p49 することは簡単ではありません。適応障害で考えなければいけないのはストレスになる事柄が大学での授業・試験である場合です。これを回避できれば、精神症状の改善は見込まれますが、授業・試験の本質を遂行しないで、単位を得ることはできません。授業・試験の本質を変更しないで配慮ができるよう担当教員と綿密な相談が必要になります。 ・睡眠障害  睡眠障害に関しては、稀ならず出現する疾患ですが、睡眠障害だけで大学での学習に大きな影響を及ぼすことは稀です。翌日起床できずに出席できないということも生じ得るので、登校できない間の保障を考えるのも選択肢ですが、生活リズムを整えることや、薬物治療が効果的であることが多いので、まず十分な対策が行われているかどうか確認をした方が良いかもしれません。 ・高次脳機能障害  高次脳機能障害に関しては、障害部位・程度により記憶障害や発達障害で認められる注意機能の障害、組織化と計画の障害等、様々な脳機能障害が生じ得ます。発達障害と同様ですが、一括りで高次脳機能障害とせず、どのような脳機能に障害があるか正確な評価に基づいて、配慮内容を検討する必要があります。 ・その他  大学生の年代では心的外傷後ストレス障害、解離症、摂食障害、物質関連障害(アルコール・覚醒剤等)、パーソナリティ障害(境界性人格障害等)が比較的多く認められますが、典型例は少なく、症状の変動が多く対応に苦慮します。また、これらの精神障害では、症状に関連して対人関係の問題は多く生じますが、症状と学習に関する配慮が直接結びつかないことが多くあります。しかしながら、実際に授業・試験に支障が生じている場合には、配慮を検討する必要があります。  このように、精神障害は様々な疾患を含み、発達障害の説明で述べたのと同様に相互に合併することが少なくありません。しかし、生じる症状・機能障害はある程度疾患ごとに決まっているので、有効な配慮を推測することはできます。症状・機能障害と実際に生じている学習上の支障を把握して、ケースバイケースで配慮の内容を合理的に考えることになります。 -----p50 2 発達障害・精神障害のある学生の初回面談に当たって (1)初回面談に当たっての準備  部局は、発達障害・精神障害のある学生から支援依頼を受けたら、当該学生及び関係者による初回面談を行います。面談に当たって、次の準備が必要です。 □ 面談の日程や場所の調整、関係者(当該学生、バリアフリー推進オフィス含む)の招集 □ 当該学生より「バリアフリー支援申込届」の受取 □ 「バリアフリー支援申込届」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 (2)面談時の配慮  発達障害・精神障害のある学生は、自分の思ったことを伝えるのが苦手な場合が多いので、初回面談では話しやすい雰囲気を作ることが必要です。また、聞いて理解することが苦手なことも多いので、その場合は書いて説明することが有効なこともあります。 (3)確認事項  初回面談では、発達障害・精神障害のある学生へ、以下のことについて確認します。 □ 入試で特別措置を行った場合は、申請書にて障害に関する情報を得ていることを伝えます。 □ 障害のある学生の部局での相談窓口は支援実施担当者であること、バリアフリー推進オフィスにも相談できることについて説明します。 □ 障害のある学生への支援の流れについて、図「障害のある学生への支援の流れと支援実施担当者の役割」(P.7)に沿って説明、確認します。 □ 支援を希望する場合は、支援の実施に当たり関係する教員や職員、サポートスタッフ等へ、障害のある学生本人が抱える困難について知らせることの了承を得ておきます。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、サポートスタッフの募集や養成のために早期の準備が必要になりますので、初回面談で、希望する支援内容を具体的に検討する必要があります。 □ サポートスタッフによる支援を行う場合には、学期始めにサポートスタッフの募集・養成を行うため、最初は派遣が間に合わない可能性があること、その際の代替方法も面談の中で相談することを伝えます。 □ 学外生活に対する支援は、公的支援制度活用の情報を提供する範囲で行うことについて理解を得ておきます。 -----p51  さらに個別の確認事項については、下記の「発達障害・精神障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧」をご覧ください。 ■注記 以下の表は、冊子では複数のページにまたがっているが、本データではまとめて表の前半部分に結合し、1つの表として記載している。■ 〈発達障害・精神障害のある学生との初回面談における主な確認事項一覧〉 1 障害及び疾患の状況 障害・疾病名、精神障害者手帳(診断書)の有無を聞く。 症状が変動するか否かを確認する。 2 障害の状態 主治医 主治医が誰か確認する。 症状 どのような症状があるか確認する。 活動制限 授業・学生生活への影響を確認する。 合併症の有無 合併症の有無を確認する。 3 入学後の住居 同居人の有無 1人住まいの場合、 ・1人住まいの経験の有無を確認する。 ・近隣の知人の有無を確認する。 ・一般賃貸か、東大学生宿舎か、他の学生寮かを確認する。 同居人がいる場合、同居人の詳細を確認する。 4 通学 方法 電車・バスか、徒歩かを確認する。 経路 経路を確認する。 5 これまでの支援 小学校から高校までに受けた支援で、支援・治療内容及び有効と感じた支援・治療を確認する。 6 大学での支援希望 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 支援を希望する場合 ・バリアフリー推進オフィスでの支援について確認する。 ・学生相談所での支援について確認する。 ・コミュニケーション・サポートルームでの支援について確認する。 ・保健センターでの治療について確認する。 ・学内関連機関での支援・治療を受けている、あるいは希望した場合には、関係者間で情報を共有することについて説明、確認をする。 7 長期履修制度 長期履修制度の紹介をする。 ・各研究科、学部で対応が異なるため確認をする。 ・申請時期について確認をする。 8 入学式・新入生ガイダンス 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 9 学生定期健康診断 支援を希望するか、希望しないかを確認する。 -----p52 3 発達障害・精神障害のある学生の支援開始に当たって □ 当該学生より「支援に関する確認書」を受け取り、当該学生に渡す □ 「支援に関する確認書」(写し)をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 「支援実施計画調書」をバリアフリー推進オフィスに提出 □ 支援機器の貸出を要する支援が発生する場合には、「支援機器等貸出申請書」をバリアフリー推進オフィスに提出  支援内容は、初回面談での相談をもとに本人を含む関係者間で協議し決定されます。複数の支援手段を順に試行しながら、最適な支援手段を決定することもあります。 ○発達障害・精神障害のある学生への支援例  発達障害、精神障害のある学生への支援例を以下に示しました。 授業・試験 試験で十分に能力を発揮できない。 〈支援例〉 試験時の配慮:試験時間延長や別室受験、座席指定、注意事項の文書伝達、出題・解答方法の調整等の配慮を提供することができます。 -----p53 筆記試験あるいはレポート等、授業で決まっている評価方法では、十分に能力を発揮することができない。 〈支援例〉 代替評価:他の評価方法への変更を検討します。 授業で決まっている方法(例えば集団)で講義・実習等に参加することが難しい。 〈支援例〉 代替課題:他の参加方法(例えば個別)への変更を検討します。また、必要に応じて優先履修を行うこともできます。 期限内に課題を終了させることが難しい。 〈支援例〉 提出期限延長:提出期限の延長を検討します。 特定の座席以外で十分に学習できない。 〈支援例〉 教室での座席位置確保:授業教室内で優先席を確保します。 -----p54 教職員に自分の意思を十分伝えられない、相手の意図がわからない。 〈支援例〉 代替コミュニケーション:専門家が本人と教職員の意思疎通を仲介することを認めます。 多数の情報を整理しながら、自分で見通しをつけて課題を実行することが難しい。 〈支援例〉 教示方法の調整:教職員が教示方法を調整します。教示方法の調整には具体的な教示、事前の教示、見本の提示や課題の細分化等が含まれます。 講義を聞いてもよくわからない。 〈支援例〉 視覚提示を増やした教育環境:視覚教材を確保する、あるいは視覚的な情報伝達を増やすよう調整します。 優先順位をつけて課題を実行することが難しく、課題が終わらない。 〈支援例〉 進捗管理の補助:教職員が進捗管理を補助します。 -----p55 教示方法の調整、進捗管理、視覚提示を利用した教育環境等に関して、担当教職員の時間が足りないので、十分な支援を得られない。 〈支援例〉 ティーチングアシスタント又はサポートスタッフの配置:ティーチングアシスタント又はサポートスタッフを配置することができます。 授業・試験の終了まで同じ部屋に居続けることが困難。 〈支援例〉 退室、再入室の許可:授業・試験中の途中退室を認めます。また、再入室については条件が整えば認める場合も考えられます。 感覚過敏のために、集中することが難しく、授業・試験中に課題を終わらせられない。 〈支援例〉 耳栓等の使用許可:耳栓等、感覚入力を調整する補助具の使用を許可します。 自分の視線を他者が不快に感じていると思ってしまい、板書を注視することが難しい。 その結果、講義内容・試験時の注意事項等がわからなくなる。 〈支援例〉 情報保障:板書内容の書写、視覚教材の配付、口頭での伝達等の手法で必要な情報を保障します。 -----p56 精神障害あるいは薬物療法の副作用のために、身体機能の障害が生じていて、授業・試験で困っている。 〈支援例〉 身体機能の障害に準じた配慮を提供します。 4 発達障害・精神障害のある学生の支援と学内関連機関  発達障害・精神障害のある学生の支援を行うに当たって、東京大学にはバリアフリー推進オフィス以外にも、複数の相談窓口があります。  発達障害・精神障害の支援は、大きく3つに分類されます。  1つ目は、精神医学的治療で、これは保健センターで対応ができます。また、医学的診断が書面として必要とされるときには、保健センターを受診し、学務連絡票(診断書に代わる書類)を発行してもらうことができます。  2つ目は、発達障害・精神障害のある学生個人(本人)に対処能力の向上と情緒の安定を意図して働きかける支援です。精神障害全般あるいは、診断自体が不明確な場合に関しても、学生相談所で対応でき、教職員からの相談も受け付けています。コミュニケーションの困難や発達障害の特徴が比較的明らかな場合には、コミュニケーション・サポートルームで同様の対応ができます。  3つ目は、発達障害・精神障害のある学生の周囲の環境を調整し、配慮を提供することで状況の改善を意図する支援です。バリアフリー推進オフィスが対応しているのはこの3つ目の支援になります。  窓口に迷った場合は、上記の分類にこだわらずに、どこにでもよいのでまず、相談してください。そこで適切な窓口について改めて説明を受けることもできます。 -----p57 column 発達障害や精神障害のある学生の学内相談窓口及び関連機関 ●コミュニケーション・サポートルーム (URL https://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/csr/) 内容 コミュニケーション、発達障害に関する学生対象の相談、教職員へのコンサルテーション、発達障害に関する啓発活動 連絡先 03-5841-0839(内線:20839) ●学生相談所 (本郷・柏 URL https://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/scc/) (駒場 URL https://kscc.c.u-tokyo.ac.jp/) 内容 学生対象のカウンセリング、教職員・保護者対象のコンサルテーション 連絡先 本郷キャンパス 03-5841-2516(内線22516) 駒場キャンパス 03-5454-6186(内線46186) 柏キャンパス 04-7136-3714(内線63714) ●精神保健支援室(保健センター精神科) (URL https://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/mhs/) 内容 保健センター精神科(本郷・駒場・柏)での学生・教職員の精神科診療及び相談、メンタルヘルスに関する予防・啓発活動 連絡先 本郷保健センター 03-5841-2578(内線22578) 駒場保健センター 03-5454-6167(内線46167) 柏保健センター 04-7136-3040(内線63040) ●総合窓口 (URL https://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/nsc/) 内容 どこに相談に行けばよいか、わからないときどんな相談でも気軽に利用してください。 連絡先 本郷キャンパス 03-5841-7867(内線27867) -----p58 Chapter4 関連する支援 1 施設設備のバリアフリー改善  施設設備のバリアフリー改善は時間や費用を要するため、障害のある学生の入学・進学・復学が決定してからでは対応が間に合わない場合も多くあります。障害のある学生(特に、肢体不自由や視覚障害等の移動に困難を伴う学生)の入学や進学が決定した部局では、できるだけ迅速に、当該学生、支援実施担当者、施設担当者、バリアフリー推進オフィス等とともに、学生の行動範囲の施設設備の検証を行い、修学上の支障が軽減されるように改善する必要があります。  また、改善を計画的に行うためには、日頃からユーザーの視点で移動の安全性やアクセスのしやすさ等を点検しておくことが望ましいでしょう。  ここでは、施設設備のバリアフリー改善の留意点及び実際に改善を行う際の流れについて説明します。 ○特定の個人に合理的配慮を提供する観点から  障害のある学生から、施設設備が原因で、支障が生じているという相談があった場合は、状況を確認し、支障を軽減するために、関係者が集まり必要な配慮を決定します。施設設備自体の改修が、予算や時間の制約により過度の負担と考えられる場合には、代替案を検討します。 事例「1」 車いすの学生の履修科目が、エレベーターのない建物の2階で行われるため、講義室へ移動できず、履修科目の受講ができない。 配慮案 ●エレベーターを設置する。 ●1階の講義室に変更する。 ●隣接の建物のエレベーターを利用して2階まで上がり、建物連絡通路を使って講義室へ移動できるよう、連絡通路を整備する。 対応  エレベーターの設置は建物の構造上難しく、費用が膨大なため、過度の負担と判断し、講義室の変更で対応できるかどうか調整を行った。同時に、隣接建物の利用が可能かどうか検討することとした。 -----p59 事例「2」 視覚障害のある学生が所属研究室まで通学する際、誘導用ブロックが途中までしか敷設されておらず、道に迷ってしまい、研究室にたどり着けない。 配慮案 ●既設の誘導用ブロックを延伸して、研究室のある建物入口まで誘導する。 ●構内の誘導を人的支援で行う。 対応  入学に間に合わせるために、取り急ぎ、人的支援で対応した。並行して、研究や実験が数年続くことを考え、早朝や深夜でも自由に移動できるよう、既に敷設されている誘導用ブロックを延伸するハード面の整備を行った。 ○環境の整備の観点から  新営建物や大規模改修の際は、法律で定められたバリアフリー基準を満たすことが求められます。また、現行のバリアフリー基準を満たすだけでなく、将来の新たなニーズに対応できるよう工事完了後でも容易に調整できるような給排水設備等を設置することが望ましいです。  既存設備については施設の特性を踏まえた運営と管理を行うことで有効活用し、計画的な改修や整備を進めます。既存施設の場合は、利用頻度が高い講義室や実験室、図書館等の共有施設、食堂や購買等の福利厚生施設、ホール等の一般公開施設の改修整備を優先的に行い、新たなニーズが発生したときに迅速に対応できるように準備します。バリアフリートイレやスロープ等が既に設置されている建物には、複数設置することで、より利用しやすい施設になります。  特定の利用者に提供した配慮が、別の利用者にとってのバリアとならないよう、将来にわたりバランスのとれた整備充実をはかります。 column 不適切な利用により、新たに発生するバリア  施設設備のバリアフリーを進めても、その意義を知らずにいると、台無しになることがあります。 ・バリアフリートイレの目的外利用:トイレ内で着替えや昼寝をして長時間占拠したため、本当に必要とする人が使えない。 ・スロープへの駐輪:スロープであることに気がつかずにとめた自転車があり、車いすで通行できない。 ・誘導用ブロック上の駐輪・駐車・看板設置:誘導用ブロック上の駐輪等は視覚障害者が安全に歩行できなくなる。 新たなバリアを作らないよう心がけましょう!! -----p60 2 情報アクセシビリティ ・情報アクセシビリティとは  情報アクセシビリティとは、目的の情報にアクセスできるかどうか、あるいはその情報へのアクセスのしやすさを指します。  なお、似たような言葉にWebアクセシビリティやICTアクセシビリティというものがあります。これは、目的の情報をWebあるいはICTに限定したもので、WebあるいはICTにアクセスできるかどうか、アクセスがしやすいかどうかという意味で用いられます。  情報には様々なものがあります。コンピューター上のファイルにアクセスできるかは、主要な情報アクセシビリティの一つです。このほかにも、例えば掲示板に貼られた紙の情報にアクセスできるか、道路の情報にアクセスできるか、地図の情報にアクセスできるかなども、情報アクセシビリティに含まれます。ここでは修学に必要な主にコンピューター上の情報にアクセスすることについて取り扱います。 ・法律・規則的な面  障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法では、情報を得る手段として、障害の種類や程度に応じたものが選択できることや、可能な限り、障害者でない者と同一の内容の情報を同一の時点において取得することができるようにすることなどが定められています。  JIS X 8341-3:2016「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」という規格があります。Webコンテンツをこの規格に適合させると、障害のある方や高齢者などがそれにアクセスしやすくなります。Webコンテンツを作成するときには、この規格に適合させるようにします。  この規格に適合させるには、情報システムそのものと、そこで掲載や配信されるコンテンツの双方に配慮する必要があります。 ・情報アクセシビリティの確保が必要な理由  情報アクセシビリティを確保することは、多様性を尊重し、包摂性を推進する上で極めて重要です。  本学には多様な学生や教職員がいます。その中には、障害や病気等により、情報へのアクセスに困難を伴う方がいます。例えば、視覚に障害がある方は、コンピューターのディスプレイを見ることが難しかったり、紙で回ってきた文書が読めなかったりします。肢体不自由のある方は、本をめくることが難しい場合があります。聴覚に障害がある方は、講義で話されていることを聞き取るのに困難があります。 -----p61  近年のテクノロジーの発達により、このような問題は解決に向かいつつあります。例えば、スクリーンリーダーという文字を音声で読み上げるソフトウェアがあります。これを用いれば、視覚に障害がある方は資料やメールの内容を聞いて把握することができます。肢体不自由のある方は、タブレット端末に表示された本であればページをめくることができます。音声をリアルタイムで文字に変えて表示する音声認識アプリケーションを使うことで、聴覚障害のある方も会議や授業に参加することができます。 ・コンテンツやその他にも配慮が必要なこともある  しかしながら、このようなテクノロジーを用いれば問題が完全になくなるかというと、そうではありません。例えば、スクリーンリーダーを使えば文字を音声で読み上げることができますが、そのためには元のデータにテキスト情報を含めるようにするなど気をつける点があります。こうした点が考慮されていないためにスクリーンリーダーがその内容を読み上げないことがあります。また、音声認識アプリケーションを使うことで音声をリアルタイムで文字に変換することができますが、名前を名乗ってから発言するようにしないと、文字だけでは誰の発言かわからないこととなってしまいます。こうした点を解決するには、学生に配布する授業資料である電子ファイルにテキスト情報を含めるとか、授業では自分の名前を名乗ってから発言するというルールを作るなど、周囲の人の協力が必要となることもあります。 ・情報アクセシビリティからみた環境の整備  近年では、コンピューターネットワークを介して、サーバーやデータにアクセスすることが多くなっています。しかし、情報システムを構築する際に、情報アクセシビリティの確保を想定していないと、障害のある方にとって使いにくいシステムとなってしまいます。一旦システムを作った後では、例えば途中からスクリーンリーダーを導入しようとしても余計に経費が掛かるなど、変更が難しくなりがちです。そのため、システム設計段階から、このような支援テクノロジーの導入を計画しておくことが効率的です(環境の整備)。情報システムを更新するタイミングなどで、一般的な障害特性に対応できるようにしておくとよいでしょう。  また、情報アクセシビリティを確保するためには、情報システムのハードウェアのみならず、そこに掲載するコンテンツにも配慮が必要となります。例えば、視覚障害のある学生に向けたテキスト情報の提供や聴覚障害のある学生に向けた字幕の挿入などを、コンテンツの制作者のほうであらかじめ配慮しておくことが期待されます。詳しくは、「ユニバー -----p62 サルな教材」(P.63)をご参照ください。  なお、環境の整備によっても学生本人の障害ゆえの困難が解消されない場合には、合理的配慮の提供を検討するプロセスに進みます。 ・情報アクセシビリティを確保する具体的な方法について  障害の特性は多種多様です。また、障害名や病名が同じでも、症状や感じ方には個人差があり、その対応を一律に決めることはできません。学生からの申し出の内容により、障害特性を考慮しつつ学生本人の希望に対応することになります。  バリアフリー推進オフィスでは、情報アクセシビリティを確保するための具体例について、障害特性に応じてどのように配慮したらよいか、UTokyo Portal便利帳にて情報アクセシビリティガイドを作成しています(このようなコンテンツがあればよいなど、希望のある方はバリアフリー推進オフィスまでご連絡ください)。 column 障害のある利用者(本学構成員)等への資料電子化サービス  東京大学附属図書館では、視覚障害、肢体不自由などのため、紙媒体の資料の利用が困難な方を対象に、図書館所蔵資料等の電子化サービスを行っています。  具体的には、学内図書館所蔵資料のPDF化及びテキスト化であり、学習・教育・研究等に必要なものであれば、利用者自身の持ち込み資料(自身所有のもの、利用者が所属部局の図書館室を通して学外図書館から借り受けたもの等)も可能です。 当サービス利用に関する詳細は、東京大学附属図書館のホームページをご覧ください。 URL https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/contents/digitizing_service_for_disabilities.html -----p63 3 ユニバーサルな教材  障害のある学生のためのユニバーサルな教材は、障害のない学生と同様にアクセスできるように設計された教材を指します。ユニバーサルな教材は、障害のある学生が他の学生と同じように学ぶために重要です。  以下に、それらの教材の例と、教材作成の工夫のいくつかを紹介します。 ○障害のある学生のための「ユニバーサルな教材」の例 ・スクリーンリーダー(音声読み上げソフト)対応のデジタル教材  視覚障害のある学生のために、スクリーンリーダーで読み上げられる形式(テキストデータ、アクセシビリティに配慮したWordやPDFデータなど)のデジタル教材を提供します。作成にあたっては、画像を説明する代替テキストを付与したり、正しく読み上げるように構造化するなど、アクセシビリティに配慮します。  デジタル教材はまた、画面表示の拡大、コントラストや背景色の調整、キーボードのみでの操作など、様々なアクセシビリティ機能を活用できます。 ・字幕付きビデオ教材  聴覚障害のある学生等のために、講義や教材ビデオに字幕を付与します。ほかに、文字起こし原稿を作成して提供する方法もあります。また、手話通訳付きのビデオを提供することもあります。こうした教材を作成する場合には、バリアフリー推進オフィスにご相談ください。 ・音声を活用した教材  繰り返し聞いて内容を確認する必要がある視覚障害や発達障害のある学生にとって、講義や教材の内容を音声で録音した教材は重要です。講義については、学生に録音を許可する形での提供もあります。 ・点字教材や拡大印刷教材  点字を使用する学生のために点字教材を提供したり、弱視の学生のために拡大印刷教材を提供します。点字教材の作成では、画像の説明等を含めた点訳可能な形式のデータを点訳ソフトで点字化・編集を行い、点字プリンターで印刷します。点字教材が必要な場合は、バリアフリー推進オフィスにご相談ください。 -----p64 ・評価に係る教材  障害の特性によっては、評価に係る教材(定期試験、小テスト、リアクションペーパーなど)の調整も必要になります。例えば、問題用紙や解答用紙の拡大などがあります。 ○視覚教材(視覚を使って見る・読む教材)の工夫 ・見やすい色づかい  色の見え方の違いによって学びやすさに差が出ないように、色覚の特性に考慮して、配色やデザインを工夫します。例えば、グラフなどの図形は、色の濃淡や区切れ、罫線などを工夫してわかりやすくします。  また、色だけの違いに頼らずに、線の形(二重線や波線など)や模様の違い等を加えることで、情報を正しく識別できるようにします。 ・読みやすいフォント  可読性や視認性、判読性が高くなるようにデザインされているUD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用することで、読みやすさに加えて学びやすさも向上します。 ・画像の説明  画像(図・写真・グラフなど)については、何を表しているかがわかるように、タイトルや説明文を添えます。Wordなどの編集ソフトには、画像に代替テキストを埋め込む機能があり、その機能を使うことも有効です。 ・理解しやすいレイアウト  構造化された誤解を生じにくいレイアウトにすることで、内容を正しく理解しやすくなります。 ○映像・音声を使った教材の工夫  聴覚障害のある学生の支援では、字幕付与と文字起こし原稿提供の2つの方法が一般的です。映像の内容や学生の希望等に合わせて、適する方法を選びます。  字幕付与については、字幕作成を容易に行えるツールが増えています。音声を認識して自動で字幕を生成したものに、適宜修正を行い、字幕付き教材を作成することができます。 参考:PEPNet Japan資料 「オンデマンド授業や映像教材での情報保障支援方法(字幕付与と文字起こし原稿)」 URL https://www.pepnet-j.org/contents/archives/3488 「映像授業・映像教材への字幕作成・付与の方法について」 URL https://www.pepnet-j.org/contents/archives/2246 -----p65 4 障害のある学生への緊急災害時対応  東京大学では、東日本大震災の経験を踏まえ、本学に在籍する障害のある学生の緊急災害時対応の整備を進めています。 (1)防災訓練での訓練実施  各部局の防災訓練では、障害のある学生の避難を想定した取り組みを実施し、障害のある学生と支援実施担当者、避難支援者とで避難方法やルート等について相互確認を行います。 (2)情報伝達体制の整備  学生は、所在や行動範囲が一定でないことから、障害特性に対応した情報伝達体制を整えておくことが求められます。また、障害のある学生本人に対しては、緊急災害時の対策について、常に意識を高めておくよう促すことが大切です。  特に、学部前期課程では、学生の活動がキャンパス内の広範囲に渡ることから、情報伝達体制として駒場アラート(緊急災害時等に、教養学部から登録者のメールアドレスに一斉通報を行い、必要に応じて安否確認を行うシステム)の活用等が推奨されます。集団で活動することが多い語学や実験では、クラス単位で障害のある学生への避難連絡体制を確認することがよいでしょう。 例 聴覚障害のある学生への情報伝達(施設設備)  聴覚障害のある学生は、非常ベルが聞こえず、避難が遅れることがあります。学内で聴覚障害のある学生の利用頻度が高い場所や公共性が高い場所、学生宿舎には優先的に光警報装置の設置を検討します。周囲の状況が見えにくいトイレにも、光警報装置の設置が有効です。  また、エレベーターが、地震や停電の際に緊急停止した場合、中にいる聴覚障害のある学生はインターホンによる外部との連絡は困難です。ドアの一部がガラス張りであれば、筆談等で外部との情報交換が可能となることから、エレベーターの新設あるいは改修の際に、配慮が必要です。 (3)個別の緊急災害時避難マニュアルの作成  キャンパス内の定まった場所での活動が多い障害のある学生については、必要に応じて「個別の緊急災害時マニュアル」(以下、個別マニュアル)の作成を進めています。 -----p66 例 車いす使用学生の「個別の緊急災害時マニュアル」作成手順 1 当該部局との打ち合わせ  当該部局から、個別マニュアル作成に向け、バリアフリー推進オフィスに協力を依頼します。バリアフリー推進オフィスは、必要な情報を取りまとめ、障害のある当該学生における個別マニュアルの項目を提案します。また、避難補助具候補の選定を行います。 〈避難補助具の例〉 (写真)「1」キャリダン (株)サンワ (写真の説明) これは避難補助具のキャリダンの写真である。 (写真)「2」イーバックチェア コーケンメディカル(株) (写真の説明) これは避難補助具のイーバックチェアの写真である。 (写真)「3」エアーストレッチャー エアーストレッチャー(株) (写真の説明) これは避難補助具のエアーストレッチャーの写真である。 2 避難補助具を用いた避難方法の検証  候補となった避難補助具を用いて避難方法の検証を行い、障害の状態や避難支援者の人数、時間効率等の観点から最適の方法を総合的に検討します。その上で個別マニュアル案を作成します。 (写真)避難方法の検証の様子1 ■写真にはタイトルがないが、わかりやすくするため写真にタイトルを付した。■ (写真の説明) 避難補助具を用いて避難方法を検証している様子である。 (写真)避難方法の検証の様子2 ■写真にはタイトルがないが、わかりやすくするため写真にタイトルを付した。■ (写真の説明) 避難補助具を用いて避難方法を検証している様子である。 3 避難訓練での検証  避難訓練にて、作成中の個別マニュアル案に沿って、流れ等を確認します。 (写真)避難訓練での検証の様子1 ■写真にはタイトルがないが、わかりやすくするため写真にタイトルを付した。■ (写真の説明) 避難訓練にて個別マニュアル案を検証している様子である。 (写真)避難訓練での検証の様子2 ■写真にはタイトルがないが、わかりやすくするため写真にタイトルを付した。■ (写真の説明) 避難訓練にて個別マニュアル案を検証している様子である。 4 個別マニュアル完成  避難訓練の結果を受けて加筆修正し、完成させます。 バリアフリー推進オフィスでは、各部局の取り組みを集約しているほか、障害のある学生一人ひとりの特性に合わせた緊急災害時対応のアドバイスを行っています。ぜひお問い合わせください。 -----p67 5 キャリア形成・就職支援  障害の有無に関わらず、学生が大学生活で学んだことを社会で活かすためにキャリア形成・就職支援は欠かせません。本学では学部・研究科の進路担当教職員による進路指導や、キャリアサポート室が就職支援を行っています。 ○キャリア形成  障害のある学生が社会に出るにあたって、自己の障害等による特性や困難を的確にとらえ、社会的障壁の除去の実施について適切に求めていけるようなセルフアドボカシー※スキルの獲得がひとつの重要なポイントとされます。バリアフリー推進オフィスでは、障害のある学生が様々な支援手段を体験し、自分に本当に必要な支援を見出せるような対話や機会を重視しています。また「障害のある学生とのバリアフリー意見交換会」等の機会を通して、自らの障害特性や社会的障壁、必要な支援についてまとめあげ、他の学生や関係者とともに意見交換する機会も設けています。 ※セルフアドボカシー:本人自らが権利を主張し、自分のニーズや関心を表現すること。 ○就職支援  障害のある人には、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく「障害者雇用制度」による採用枠、職業指導、職業訓練、職業紹介等、独自の制度があります。障害のある学生で、障害特性に応じた個別の支援が必要となる場合は、キャリアサポート室とバリアフリー推進オフィスが連携して支援を行います。 -----p68 Chapter5 障害者差別解消法と対応要領 1 障害者差別解消法  2016年4月1日に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」という。)が施行されました。この節では、その意図を他の法律との関係を含めて概説します。  「障害者の権利に関する条約」が2006年の国連総会で採択され、2014年に日本で批准されています。ここには「障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とした、障害者の権利の実現のための措置」等が定められています。日本国内では同様の基本的な考え方と、国及び地方公共団体の責務が障害者基本法に定められました。  障害者基本法の基本的な考え方を具体的に達成するための法律は大きく分けて2つの異なる方向で構成されています。1つは、医療・訓練あるいは、介護・補装具を利用して能力を補う等、本人の側に働きかける方向で、これは障害者総合支援法による給付等として保障されています。もう1つが、ユニバーサルデザイン(障害のある者を含む多様な人々が製品、環境、計画、サービスを使用できる設計)が不十分な社会を、障害のある者が使用しやすく調整するという方向です。この社会の側への働きかけが障害者差別解消法の意図であり、合理的配慮の提供として保障されています。さらに、この法律では前提として障害のある者を社会から排除しないことを明確にするために不当な差別的取扱いの禁止が定められています。  障害者差別解消法に基づいて政府が公表した基本方針では、「行政機関等においては、その事務・事業の公共性に鑑み、障害者差別の解消に率先して取り組む主体として、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供が法的義務とされており、国の行政機関の長及び独立行政法人等は、当該機関の職員による取組を確実なものとするため、対応要領を定めること」とされています。つまり、行政機関等に含まれる東京大学では不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供は法的義務であり、次の節で述べる対応要領を定めることも法的義務とされています。  なお、障害者差別解消法の改正により、2024年4月1日から、事業者においても不当な差別的取扱いの禁止のみならず合理的配慮の提供も法的義務となりました。 -----p69 (図)条約・法律の制定の概略とその概念図 ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ (図の説明) 68ページに説明されている内容を概念的に示した図である。 障害者権利条約 2006年:採択/2014年:批准 [障害者の権利及び尊厳の促進、保護] 障害者基本法 2011年:改正 [国、地方公共団体等の責務・障害者のための施策の基本] 障害者総合支援法 2013年:改定(障害者自立支援法) [障害者福祉サービスに係る給付(介護・訓練・医療・補装具)等] 障害者雇用促進法 2016年4月:改定 [雇用分野の措置] 社会 合理的配慮 障害者差別解消法 障害 介護・補装具 医療・訓練 障害者総合支援法 本人 能力 不当な差別的取扱いの禁止 差別の解消 障害者差別解消法 2016年4月:施行 [行政機関等及び事業者における差別を解消するための措置(不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の提供)等] 対応要領 2016年4月:施行 [教職員が適切に差別を解消するための措置] 2 対応要領  「東京大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」(以下「対応要領」という。)は、障害者差別解消法が東京大学の法的義務として定めている不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供について、取組を確実なものにするために個々の教職員の服務として定めた規則です(第1条、第2条)。  骨子として、不当な差別的取扱いの禁止(第3条)と障害のある者からの意思表明に応じた、合理的配慮の提供(第4条)が教職員の義務であることが定められ、付随する義務も定められています。また、差別の解消が円滑に実施されるように意思表明がない段階で事前に措置をしておくことについて、環境の整備(第5条)として定めています。  相談体制の整備に関しては、相談窓口として、部局の支援実施担当者とバリアフリー推進オフィスを指定し、不服の申立てがある場合には、障害者差別事案解決委員会に申立てることができる旨を定めています(第6条)。続いて、東京大学で障害者差別解消の推進・監督を実施する体制、研修・啓発の仕組みについて定めています(第7条、第8条、第9条)。尚、障害のある教職員を対象にした不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供については同じ2016年4月1日に改正された「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定められていますが(第10条)、基本的な考え方は差別解消法と大きな違いはありません。部局の支援実施担当者あるいはバリアフリー推進オフィスに相談することができる点も変わりません。  障害のある者と関わる教職員は必ず対応要領に沿った対応を行う必要があります。また、障害者差別解消法及び対応要領は、東京大学が行う事務・事業のすべてを対象にしています。 -----p70 つまり、大学の授業(学生)はもちろん、附属病院の診療(患者)、附属中高の授業(生徒)、市民講座(受講者)等、学生以外の障害のある者を利用者とした事務・事業も対象になることに注意してください。  対応要領は対外的に公表することが義務付けられています。対応要領を共通の考え方として、東京大学の教職員と障害のある者が不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供について相互に理解し、差別の解消が実現できることが望まれます。 (図)東大のバリアフリー支援の仕組み ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ (図の説明) 69ページ、70ページに説明されている内容を概念的に示した図である。 推進 最高管理責任者(総長) 監督 監督責任者(部局長) 監督者 教職員 部局支援実施担当者 相談窓口 部局支援実施担当者 バリアフリー推進オフィス 研修・啓発 総括監督責任者(バリアフリー担当理事) 障害者差別事案解決委員会 障害のある者 東京大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領 平成28年3月23日 役員会議決 東大規則第64号 (趣旨) 第1条 この要領は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定。以下「基本方針」という。)に即して、国立大学法人東京大学(以下「本学」という。)の教職員が適切に対応するために必要な事項を定める。 (定義) 第2条 この要領において使用する用語は、法及び基本方針において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。 -----p71 (1)障害者 法第2条第1号に規定する障害者、即ち、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害及び高次脳機能障害を含む。)その他の心身の機能の障害(難病等に起因する障害を含む。)(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 (2)教職員 本学に所属する役員及び教職員(特定有期雇用教職員、短時間勤務有期雇用教職員及び特定短時間勤務有期雇用教職員を含む。)をいう。 (3)部局 東京大学基本組織規則第3章及び第4章に掲げる組織並びに教育学部附属中等教育学校、医学部附属病院及び医科学研究所附属病院をいう。 (4)社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 (障害を理由とする不当な差別的取扱いの基本的な考え方) 第3条 この要領において、不当な差別的取扱いとは、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、教育・研究その他本学が行う活動全般について機会の提供を拒否すること、提供に当たって場所・時間帯などを制限すること又は障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することをいう。また、車椅子、補助犬その他の支援機器等の利用や介助者の付添い等の社会的障壁を解消するための手段の利用等を理由として行われる不当な差別的取扱いも、障害を理由とする不当な差別的取扱いに該当する。なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。 2 教職員は、教育・研究その他本学が行う事務又は事業において、障害者に対して、不当な差別的取扱いをしてはならない。 3 教職員は、前項に関して、総括監督責任者が別に定める留意事項に留意するものとする。 (合理的配慮の基本的な考え方) 第4条 この要領において、合理的配慮とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。 2 教職員は、教育・研究その他本学が行う事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その配慮が合理的であると判断したときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよ -----p72 う、当該障害者の性別、年齢及び障害の状況に応じて、社会的障壁の除去の実施について合理的配慮の提供をしなければならない。 3 教職員は、障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合には、当該障害者に対して適切と思われる合理的配慮を提案するよう努めなければならない。 4 本学がその事務又は事業の一環として実施する事務を事業者に委託等する場合は、委託等の条件に、合理的配慮の提供について含めるよう努めるものとする。 5 教職員は、合理的配慮が障害者と教職員との相互理解の中で提供されるべき性質のものであることを理解しなければならない。 6 教職員は、第2項から前項までに関し、総括監督責任者が別に定める留意事項に留意するものとする。 (環境の整備) 第5条 教職員は、不特定多数の障害者にとって社会的障壁のない環境の実現に努めるものとする。 (相談体制の整備) 第6条 本学における障害者及びその家族その他関係者からの相談に的確に対応するための相談窓口は、次の各号に掲げるとおりとする。 (1)障害者に事務又は事業を提供する部局に置かれるバリアフリー支援実施担当者 (2)バリアフリー推進オフィス 2 本学における障害を理由とする差別に関する紛争の解決を図るため、東京大学障害者差別事案解決委員会を置く。 3 東京大学障害者差別事案解決委員会に関し必要な事項は、別に定める。 (障害を理由とする差別の解消に関する推進体制) 第7条 本学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する体制は、以下の各号のとおりとする。 (1)最高管理責任者 総長をもって充て、障害者差別解消の推進及びそのための環境整備等(施設等のバリアフリー化の促進、必要な人材の配置、障害のある入学希望者や学内の障害のある学生等に対する受入れ姿勢・方針の明示、情報アクセシビリティの向上等)に関し、本学全体を統括し、次号から第4号までに掲げる者が適切に対応するよう指導するとともに、最終責任を負うものとする。 (2)総括監督責任者 バリアフリー支援を担当する理事をもって充て、最高管理 -----p73 責任者を補佐するとともに、本学全体における障害を理由とする差別の解消の推進に関し必要な措置を講ずるものとする。 (3)監督責任者 部局長をもって充て、当該部局における障害を理由とする差別の解消の推進に関し責任を負い、そのために必要な措置を講ずるものとする。 (4)監督者 部局に監督者を置くことができる。監督者は、当該部局の教職員のうちから監督責任者の指定する者をもって充て、監督責任者を補佐するものとする。 (教職員への研修・啓発) 第8条 総括監督責任者は、障害者に対して適切に対応し、又は障害者からの相談等に的確に対応するため、次の各号に掲げるとおり、教職員に法の趣旨を周知徹底し、各種研修等を実施することにより、障害に関する理解の促進を図るものとする。 (1)新たに教職員となった者に対しては、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事項について理解させるために、研修を実施すること。 (2)新たに監督責任者又は監督者となった教職員に対しては、障害を理由とする差別の解消に関し、求められる役割について理解させるために、研修を実施するものとする。 (3)教職員に対し、障害の特性を理解させるとともに、障害者へ適切に対応するために必要なマニュアル等を整備し、啓発を図るものとする。 (教職員の監督) 第9条 監督責任者は、当該部局に係る障害を理由とする差別の解消を推進するため、次の各号に掲げる事項に即して、障害者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう監督し、又は障害者に対して合理的配慮の提供がなされるよう努めなければならない。 (1)日常の業務を通じた指導等により、障害を理由とする差別の解消に関し、その監督する教職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。 (2)障害者及びその家族その他関係者から、不当な差別的取扱い又は合理的配慮の不提供に対する相談若しくは苦情の申し出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。 (3)合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する教職員に対して、合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。 2 監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、監督責任者に速やかに報告するとともに、その指示に従い、迅速かつ適切に対処しなければならない。 (労働者に対する措置) 第10条 労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については、法 -----p74 第13条により、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)の定めるところによる。 附則 この規則は、平成28年4月1日から施行する。 附則 この規則は、令和6年4月1日から施行する。 3 不当な差別的取扱いの禁止  不当な差別的取扱いとは、障害を理由に異なる取扱いをすることで、障害のある者の権利利益を侵害することです。現代社会で、障害のある者を意識的に差別することはあり得ないことですが、気付かないうちに差別的な取扱いをしていることもありますので、注意が必要です。  不当な差別的取扱いの具体的な考え方と具体例については、「東京大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留意事項」(以下「留意事項」という。)に説明・例示があります(第1、第2)。異なる取扱いに正当な理由がある場合は、第三者の権利利益の侵害となる状況等、稀な事態ですが、実際に異なる取扱いをするときには正当な理由を十分に説明する必要があります。障害を理由に異なる取扱いをしている可能性が少しでもあれば、バリアフリー推進オフィスに相談することをお勧めします。  次の節で述べる合理的配慮は異なる取扱いをしますが、これは平等を促進するために必要な措置であり本人の権利利益を侵害しないので、不当な差別的取扱いとはしません。また、合理的配慮の要件を満たさなくても、平等を促進するために必要な措置であれば、積極的改善措置とし、やはり不当な差別的取扱いとはしません。尚、積極的改善措置に関しては原則、実施する義務はありません。 4 合理的配慮の提供  合理的配慮(reasonable accommodation)とは、国連の障害者権利条約において、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されています。合理的配慮の提供とは、障害のある者が特定の活動に参加するときに、その能力を十分に発揮するために周囲が合理的な範囲で「変更・調整(modification and -----p75 adjustment)」することといえます。合理的配慮の具体的な考え方と具体例については留意事項に説明・例示があります(第3、第4)。また、具体例にはChapter3で例示している支援例も含まれます。これらの例示は具体的な状況に応じて、合理的と判断されないこともありますし、これらの例示以外にも合理的な配慮は多数あります。  合理的配慮の提供に当たっては、合理性の検討が求められますが、要件は障害者差別解消法には明記されていません。東京大学では、ある程度一貫した判断ができるように、(1)特定の場合において必要とされること:障害、状況、支障の関連から配慮の必要性が説明できること、(2)適当であること:学術的要件等事務事業の本質を変更しない調整であること、(3)過度の負担を課さないこと:予算・労務等負担が過度にならないこと、を合理性の判断に当たって留意する3つの要件として推奨しています。尚、稀ですが、合理的配慮を提供することで、第三者等の権利利益の侵害となる等、前節の異なる取扱いに正当な理由がある場合に準じた状況になることがあります。この場合は異なる措置を検討することになります。  合理的配慮の提供で重要なことは、本人の意思表明に応じて、インタラクティブ・プロセスを意識した交渉を行い、相互理解に基づいた合意を得ることです。どちらかが一方的に合理的配慮を決定することはできません。相互理解には、正確な情報交換に基づいて3つの要件を検討する論理的理解と、合理的配慮の範囲内で本人の要望と本学の事情を調整する情動的理解が含まれます。  本学が行う事務又は事業が、不特定多数の障害者が使用しやすいユニバーサルデザインで設計されていれば、差別の解消に当たって、本人の意思表明も合理的配慮の提供も必要としなくなります。可能な範囲でユニバーサルデザインに近づける事前的改善措置(環境の整備)を進めておくことが、本人にとっても本学にとっても効率が良いと考えられます。  障害者差別解消法の施行前から、東京大学ではバリアフリーの理念に沿って様々な配慮を提供していましたが、これが2016年4月から理念だけではなく法的義務になりました。十分な交渉と説明がないままに、障害のある者が要望した配慮を断ると障害者差別解消法及び対応要領に違反する可能性があるので注意が必要です。  配慮の合理性を検討する際には、ある程度専門的な知識を要することがあるので、障害のある者から配慮の要望があった場合、少しでも判断に迷ったら、バリアフリー推進オフィスに相談することをお勧めします。合理的配慮が提供されるよう、本人の要望と対応する教職員、部局の事情も踏まえて、バリアフリー推進オフィスから助言します。 -----p76 (図)合理的配慮の提供の概念図 ■図にはタイトルがないが、わかりやすくするため図にタイトルを付した。■ (図の説明) 74ページ、75ページに説明されている内容を概念的に示した図である。 A 教育・研究その他本学が行う事務又は事業 「1」 不当な差別的取扱いの禁止 (1)正当な理由 異なる取扱い (2)平等を促進するために必要な措置 積極的改善措置 「2」「3」 本人の意思表明 合理的配慮の提供 (1)特定の場合において必要 (2)適当 (3)過度の負担を課さない 「4」 差別の解消 インタラクティブ・プロセス(相互理解) 1)論理的理解:正確な情報交換 2)情動的理解:本人の要望、本学の事情 B ユニバーサルデザイン(環境の整備) 事前的改善措置:意思表明・合理的配慮を必要としない差別の解消 東京大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留意事項 平成28年3月23日 総括監督責任者裁定 改正 令和6年3月25日  東京大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領(東大規則第64号。以下「対応要領」という。)第3条第3項及び第4条第6項の規定に基づき、本学の教職員が留意すべき事項を次のとおり定める。  この留意事項において使用する用語は、対応要領において使用する用語の例による。 第1 不当な差別的取扱いの具体的な考え方 1 障害を理由とする障害者でない者との異なる取扱いが、不当な差別的取扱いでないと判断するに当たっては、次の各号に掲げる要件に留意する必要がある。 (1)平等を促進するために必要な措置であること 積極的改善措置、合理的配慮の提供等。 (2)正当な理由があること 障害者でない者との異なる取扱いをしないと、特定の状況(教育・研究その他本学が行う事務又は事業)において、障害者、本学又は第三者の権利利益が侵害される等。 -----p77 2 前項第2号の正当な理由に相当するか否かについては、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、障害者及び第三者の権利利益並びに本学の教育、研究その他本学が行う活動の目的、内容及び機能の維持等の観点に鑑み、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断する。 3 第1項各号に掲げる要件をいずれも満たさないときに、障害者でない者との異なる取扱いは、不当な差別的取扱いであると判断される。 4 教職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を丁寧に説明し、理解を得るよう努めなければならない。その際、教職員と障害者の双方が、お互いに相手の立場を尊重しながら相互理解を図ることが求められる。 第2 不当な差別的取扱いの例 1 不当な差別的取扱いに当たり得る例は、次の各号のとおりである。ただし、不当な差別的取扱いに該当するか否かについては個別の事案ごとに判断されることになる。次の各号に掲げるものは例示であり、いかなる場合にも不当な差別的取扱いに該当するものではないこと、及び当該各号に掲げるもの以外であっても不当な差別的取扱いに該当するものがあることに留意する必要がある。 (1)障害を理由に受験を拒否すること。 (2)障害を理由に入学を拒否すること。 (3)障害を理由に授業の受講を拒否すること。 (4)障害を理由に学内の行事への出席を拒むこと。 (5)障害を理由に学生宿舎への入居を拒むこと。 2 前項各号に掲げる例は、障害者でない者との異なる取扱いについて記載したものであり、正当な理由があることが確認された場合は、不当な差別的取扱いと判断されない。なお、正当な理由があり不当な差別的取扱いに該当しない場合であっても、合理的配慮の提供を求められる場合には別途の検討が必要であることに留意する。 3 第1項各号に掲げる例は、学生等(本学の学部の学生、研究生、聴講生及び特別聴講学生並びに大学院の学生、研究生、科目等履修生、特別聴講学生及び特別研究学生並びに教育学部附属中等教育学校の生徒をいう。以下同じ。)の学修に関する例として記載したものであり、例に限らず、法に定められた不当な差別的取扱いの禁止は、教育・研究その他本学が行う事務又は事業の全てに適用される。 第3 合理的配慮の具体的な考え方 1 配慮が合理的であると判断するに当たっては、次の各号に掲げる要件に留意する必要がある。 (1)特定の場合において必要とされること 特定の障害及び特定の状況(教育・研究その他本学が行う事務又は事業)により、支障が生じており、特定の配慮により支障の改善が想定されること。 (2)適当であること 配慮に当たって、教育・研究その他本学が行う事務又は事業の -----p78 本質を変更しないこと。 (3)過度の負担を課さないこと 配慮に当たって、物理的・技術的負担、人的・体制上の負担及び費用負担の程度が、教育・研究その他本学の事務又は事業の規模及び財政・財務状況を踏まえて妥当であること。 2 前項各号に掲げる要件を全て満たしているときに、配慮は合理的であると判断される。 3 配慮が合理的であるか否かについては、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとする。 4 教職員は、配慮が合理的ではないと判断した場合には、障害者にその理由を丁寧に説明し、理解を得るよう努めなければならない。その際、教職員と障害者の双方が、お互いに相手の立場を尊重しながら、建設的対話を通じて相互理解を図り、代替措置の選択も含めて柔軟に対応を検討することが求められる。 5 合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢及び障害の状況等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する。また、障害のある性的マイノリティについても同様に留意する。 6 障害者からの社会的障壁の除去を必要とする意思の表明は、言語(手話を含む。)のほか、点字、筆談及び身振りサイン等による合図など障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられること及び障害の特性等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族及び介助者等のコミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むことに留意する。 第4 合理的配慮の例 1 合理的配慮に当たり得る例は、次の各号のとおりとする。ただし、合理的配慮は個別の事案ごとに判断されなければならない。次の各号に掲げるものは例示であり、当該各号に掲げるもの以外であっても合理的配慮に該当するものがあることに留意する必要がある。 (1)障害及び試験状況により十分に能力を評価できないとき、試験時間延長、別室受験、座席指定、注意事項の文書伝達及び出題・解答方法の調整などの配慮を提供すること。 (2)学生等が障害及び教室環境により特定の座席以外で十分に学習できないとき、授業教室内に優先席を確保すること。 (3)学生等が障害及び既定の参加方法により授業等に参加することに支障があるとき、他の参加方法に変更すること。 (4)学生等が障害及び既定の期限により期限内に課題を終了させることに支障があるとき、提出期限を延長すること。 (5)障害及び筆記試験又はレポート等の既定の評価方法により十分に能力を評価することができないとき、他の評価方法に変更すること。 -----p79 2 前項各号に掲げる例は、特定の場合において必要とされる要件について記載したものであり、適当であること及び過度の負担を課さないことが確認されて初めて合理的配慮と判断される。 3 第1項各号に掲げる例は、学生等の学修に関する例として記載したものであり、例に限らず、法に定められた合理的配慮提供の義務は、教育・研究その他本学が行う事務又は事業の全てに適用される。 4 合理的配慮の提供義務違反に当たり得る例は、次の各号のとおりとする。ただし、合理的配慮の提供義務違反に該当するか否かについては個別の事案ごとに判断されなければならない。次の各号に掲げるものは例示であり、当該各号に掲げるもの以外であっても合理的配慮の提供義務違反に該当するものがあることに留意する必要がある。 (1)入学試験や定期試験等において、筆記が困難なためデジタル機器の使用を求める申出があった場合に、デジタル機器の持込みを認めた前例がないことを理由に、必要な調整を行うことなく一律に対応を断ること。 (2)自由席で開講している授業において、弱視の学生等からスクリーンや板書等がよく見える席での受講を希望する申出があった場合に、事前の座席確保などの対応を検討せず、一律に「特別扱いはできない」という理由で対応を断ること。 附則 この裁定は、平成28年4月1日から実施する。 附則 この裁定は、令和6年4月1日から実施する。 -----p80 巻末資料 -----p81 東京大学におけるバリアフリーの推進に関する指針 平成25年3月28日 役員会議決 東大規則第77号  東京大学は、東京大学憲章で、構成員の多様性が本質的な意味をもつことを認識し、障害の有無を含めた多様な構成員が差別されることなく、その能力を十分に発揮し、広く大学の活動に参画できるキャンパスの構築に向けて努力することを誓っている。  障害のある者を取り巻く環境には、物理的、社会的、制度的、心理的等のさまざまなバリア(障壁)が存在する。バリアフリーとは、障害のある者も含めすべての人にとって社会生活の中に存在するあらゆるバリアを取り除くことを意味する。  障害者基本法その他法令の定めるところにより、また東京大学憲章の精神に則り、ここに、東京大学全ての構成員が協力し合い、さらなる全学的なバリアフリーを推進するため、この指針を制定する。 (目的) 第1条 この指針は、国立大学法人東京大学(以下「本学」という。)における障害のある学生及び教職員に対する修学、就業等に関する支援(以下「バリアフリー支援」という。)に関し基本となる事項を定め、もって本学のバリアフリーの推進に資することを目的とする。 (総長の責務) 第2条 総長は、障害のある教職員の雇用を促進するとともに、障害のある学生及び教職員が修学及び就業において不利益を受けることのないよう全学的なバリアフリーを推進する責務を有する。 2 総長は、本学におけるバリアフリー支援の着実な推進を図るため、バリアフリー支援を担当する理事又は副学長(以下「担当理事・副学長」という。)を置かなければならない。 (担当理事・副学長の責務) 第3条 担当理事・副学長は、多様性包摂共創センター(以下「センター」という。)と連携して、構成員のバリアフリー支援に対する意識を啓発し、本学のバリアフリー支援に関する総合的な施策を策定し、バリアフリー支援の充実を図る責務を有する。 (部局長の責務) 第4条 部局長(医学部附属病院、医科学研究所附属病院及び教育学部附属中等教育学校の長を含む。)は、当該部局に在籍する障害のある学生及び教職員の修学及び就業について十分に配慮し、バリアフリー支援を推進する責務を有する。 2 部局長は、前項の責務を遂行するにあたり、当該部局において部局長を補佐し、バリアフリー支援の連絡・調整を行わせるため、バリアフリー支援の実施担当者を選任するとともに、必要な支援体制の整備に努めなければならない。 -----p82 (構成員の責務) 第5条 構成員は、本学のバリアフリーにおける自らの役割を認識し、障害のある学生及び教職員の修学及び就業について十分に配慮するとともに、バリアフリー支援の実施において積極的に協力するよう努めなければならない。 (センターの役割) 第6条 センターは、バリアフリー支援の専門的知識及び技能の蓄積に努め、障害のある学生及び教職員並びに部局に対してバリアフリーに関わる情報を提供するとともに、バリアフリー支援に関わる機関、部署と連携・協力しながら部局が行うバリアフリー支援のコーディネートの任に当たる。 (啓発) 第7条 本学は、社会のバリアフリーを推進するための啓発に努める。 (施設整備) 第8条 本学は、建物の新設及び改修並びに情報システムの構築その他の学内環境を整備するにあたっては、多様な人々の利用に配慮した計画、設計及び調達を行うよう努める。 (バリアフリー教育の充実) 第9条 本学は、バリアフリーに関する教育の充実を図るため、必要な方策を講ずるよう努める。 (障害者雇用) 第10条 本学は、障害のある者の就業の機会の確保を図り、社会の一員としての責任を果たすよう努める。 (予算上の措置) 第11条 本学は、この指針の目的を達成するため、必要な予算上の措置を講ずるよう努める。 (補則) 第12条 この指針に定めるものほか、本学のバリアフリー支援の実施に関し必要な事項は、別に定める。 附則 1 この規則は、平成25年4月1日から施行する。 2 次に掲げる規則は、廃止する。 (1)東京大学における障害のある学生の修学の支援実施要項(平成15年8月18日制定) (2)東京大学における障害のある教職員の支援実施要項(平成16年9月22日制定) 附則 この規則は、平成30年12月1日から施行する。 附則 この規則は、令和6年4月1日から施行する。 -----p83 バリアフリー推進オフィスにおける障害のある学生及び教職員の支援実施要項 オフィス長裁定 令和6年4月1日 (趣旨) 第1条 この要項は、東京大学におけるバリアフリーの推進に関する指針(平成25年3月28日東大規則第77号)第12条の規定に基づき、バリアフリー推進オフィス(以下「オフィス」という。)による本学に在籍する障害のある学生及び教職員に対する支援(以下「バリアフリー支援」という。)について必要な事項を定める。 (支援の体制) 第2条 バリアフリー支援は、大学本部が財政上の措置を、オフィスが専門的知識技能の提供を、部局が人的・物的支援をそれぞれ担い、相互に連携して実施する。 2 オフィスは、部局の支援実施担当者が行う支援の実施に関し必要な助言、情報の提供及び支援機器の貸与等を行う。 (支援の対象) 第3条 オフィスによるバリアフリー支援の対象となる学生及び教職員は、障害等があるため長期にわたり学内における修学及び就業上必要な活動に相当な制限を受け、本人が支援を受けることを希望し、かつ、バリアフリー推進オフィス長(以下「オフィス長」という。)がその必要性を認めた者とする。 (支援の内容) 第4条 前条に規定する者への支援は、修学又は就業上必要な活動その他関連する活動であって、オフィス長が適当と認めるものとする。 (補則) 第5条 この要項に定めるもののほか、バリアフリー支援の実施に関し必要な事項は、オフィス長が別に定める。 附則 この要項は、令和6年4月1日から施行する。 -----p84 バリアフリー推進オフィスサポートスタッフ実施要領 オフィス長裁定 令和6年4月1日制定 令和6年9月12日改正 1 趣旨  この要領は、東京大学の学生等が、大学の一員としての誇りを持って、障害のある学生及び教職員の支援に係る活動に参画することにより、本学におけるバリアフリー支援の充実を図るため、必要な事項を定めるものである。 2 名称  前項の活動に参画する者の名称は、バリアフリー推進オフィスサポートスタッフ(以下「サポートスタッフ」という。)とする。 3 活動内容  サポートスタッフの活動内容は、本学の学生等(本学の学部の学生、研究生、聴講生及び特別聴講学生並びに大学院の学生、研究生、科目等履修生、特別聴講学生及び特別研究学生並びに教育学部附属中等教育学校の生徒をいう。)に対する修学支援及び本学に在籍する教職員に対する就業支援業務並びにバリアフリー推進オフィス(以下「オフィス」という。)が行う業務の補助とする。なお、授業科目における修学支援を行う場合、当該科目を履修登録している者は、サポートスタッフの活動をすることはできない。ただし、サポートスタッフが大学院生の場合に限り、バリアフリー推進オフィス長、及び指導教員または授業担当教員など当該授業の提供・評価に関して責任を負う教員が、専門的な知識を要するため必要と認めた場合は、この限りではない。 4 資格  サポートスタッフに従事できる者は、本学の学部及び大学院の学生とする。 5 募集  サポートスタッフの募集は、オフィスで行う。 6 登録  サポートスタッフは、オフィスに、学生証の写しを添えて、「東京大学バリアフリー推進オフィスサポートスタッフ登録票」(別紙様式)を提出する。登録情報のうち個人を特定できるものは、所属、学年、氏名及びメールアドレスとする。 7 登録情報の取扱い  オフィスは、前項に規定する登録情報を、必要に応じ、予めサポートスタッフの同意を得た上で、支援を実施する部局の支援実施担当者並びに事務又は事業の実施責任者に提供することができる。オフィスは、当該サポートスタッフが活動期間を終了した後は、速やかに登録情報を抹消しなければならない。 -----p85 8 守秘義務  サポートスタッフは、支援に係る活動に参画するに当たり、支援を行う際に知り得た個人情報及び内容・記録等を第三者に提供又は漏洩しないことを約束し、確認書に署名した上で、オフィスに提出しなければならない。 9 活動期間  サポートスタッフの活動期間は、当該会計年度を超えない範囲内とする。年度を超えて活動を希望する場合は、オフィスに申し出ることとする。 10 謝金等  サポートスタッフの活動に対して、本学規程に基づき、表1に定める謝金及び通学区間外の交通費を支給する。 11 他制度からの報酬受給者の扱い  前項の謝金に係る事項は、日本学術振興会特別研究員等その他の学内外制度により採用され、又は報酬を受給している者が当該制度による報酬制限が課せられている場合は、当該制度の定めるところによる。 表1 区分/金額/分類/業務項目例 A-1/1,800円/直接的な人的支援業務(専門的な知識を要し、より高度な支援業務)/障害のある教職員の業務支援:代読:情報保障(パソコンテイク、ノートテイク、手話通訳等):授業時のノート作成:試験時の代筆 A-2/1,590円/直接的な人的支援業務/障害のある教職員の業務支援:代読:情報保障(パソコンテイク、ノートテイク、手話通訳等):授業時のノート作成:試験時の代筆 B/1,170円/間接的な支援業務及びオフィス関係業務/書籍・資料の各種加工(電子化、拡大、点訳等):映像資料への字幕付与:バリアフリーマップ調査:オープンキャンパス時のスタッフ業務 要件 A-1:1.支援者が博士課程在籍者で、尚且つ要支援者が教職員又は博士課程在籍者であること。 2.教育研究活動に関する支援であること。(部局が判断) 3.1.2を満たし、かつオフィス長が認めた場合であること。 ※上記3つ全てを満たす場合のみとする A-2:A-1以外 附則 この要領は、令和6年4月1日から施行する。 附則 この要領は、令和6年10月1日から施行する。 (別紙様式)東京大学バリアフリー推進オフィスサポートスタッフ登録票 -----p86 〈バリアフリー支援申込届 書式〉  年 月 日 バリアフリー支援申込届 (所属部局長)殿 下記のとおり、バリアフリー支援を申し込みますので、お認めくださるようお願いします。 申請者氏名(フリガナ) 所属・学年 (学生)学生証番号/ −  (教職員)共通ID 住所 電話番号/FAX メールアドレス 緊急連絡先/(本人との関係: )、電話番号: 支援開始日(変更日)/ 年 月 日から 支援が必要な理由と希望する支援の内容 新規・変更(どちらかを○で囲んでください。) 支援が必要な理由 ・ ・ ・ 希望する支援の内容 ・ ・ ・ (記入例:「専用駐車場の確保」、支援機器等貸与の場合は物品名) 添付書類 □学生証写し(学生は必須) □職員証写し(教職員は必須) □障害者手帳写し(取得済みの場合のみ) □その他( ) *申込届は、支援のコーディネートの目的に限り使用し、個人情報は、正当な理由なく第三者への開示、譲渡及び貸与することはありません。 (2024年4月) -----p87 〈バリアフリー支援申込届 記入例〉 20XX年X月X日 バリアフリー支援申込届 ○○○○学部長殿 下記のとおり、バリアフリー支援を申し込みますので、お認めくださるようお願いします。 申請者氏名(フリガナ)/○○ ○○(フリガナ) 所属・学年/○○学部○○学科・○年 (学生)学生証番号/XX-XXXXXX (教職員)共通ID 住所/○○区○○○ X-X-X 電話番号/FAX/XX-XXXX-XXXX メールアドレス/○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 緊急連絡先/(本人との関係:母)、電話番号:XX-XXXX-XXXX 支援開始日(変更日)/20XX年X月X日から20XX年3月31日 支援が必要な理由と希望する支援の内容 ○新規・変更(どちらかを○で囲んでください。) 支援が必要な理由 ・聴覚障害(感音性難聴)のため、聞き取りに困難があり、補聴器を装用している。 ・静かな場所での1対1での会話の場合とは異なり、離れた場所での発話、雑音が多い場所での会話、複数名での会話(授業においてはグループディスカッションなど)では特に理解が難しくなりがちである。 希望する支援の内容 ・授業受講時のノートテイク支援 ・実習や実験授業時の手話通訳 ・授業資料の事前配付 (記入例:「専用駐車場の確保」、支援機器等貸与の場合は物品名) 添付書類 □((チェックあり))学生証写し(学生は必須) □職員証写し(教職員は必須) □障害者手帳写し(取得済みの場合のみ) □その他( ) *申込届は、支援のコーディネートの目的に限り使用し、個人情報は、正当な理由なく第三者への開示、譲渡及び貸与することはありません。 (2024年4月) -----p88 〈支援に関する確認書 書式〉 支援に関する確認書  年 月 日 所属部局( 学部/研究科)長殿 バリアフリー推進オフィス長殿 支援に関わる下記の事項を確認しました。 所属: 氏名: 記 ?ここでの支援とは、授業時の支援またはバリアフリー推進オフィス長が認めた本学の修学上必要な活動に関係する支援を指す。 ?新たに支援が必要となる場合や支援内容の変更を希望する場合は、所属部局の支援実施担当者へ申し出ること。 ?支援を円滑に実施するため、支援関係者間における連絡先及び障害の状態の共有について、了解すること。 ?支援を受ける中で得た書籍電子データや講義記録、サポートスタッフの個人情報等を第三者に提供しないこと。 ?万が一事故等が発生した場合は、速やかに下記へ連絡して指示を受けること。 ?休学又は停学の期間は、支援を受けることができない。ただし、バリアフリー推進オフィス長が必要と認めた場合は、この限りではない。 [連絡先] ・支援実施担当者 所属:[部局名] [部署名] 氏名: 連絡先:[電話] [メールアドレス] ・バリアフリー推進オフィス spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 本郷支所 TEL:03-5841-1715 FAX:03-5841-1717 駒場支所 TEL:03-5465-8944 FAX:03-5465-8952 (2024年4月) -----p89 〈障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 書式〉 障害のある学生・教職員への支援実施計画調書  年 月 日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名: 部局長名: 下記のとおり支援が必要となりますので、支援実施計画調書を提出いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな) 要望する内容/合理的配慮の提供 要望の必要性(詳細に記入してください。) 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。) 支援希望期間/ 年 月 日から 年 月 日 備考 連絡先/支援実施担当者氏名: 、電話: 、メールアドレス: 注1 記入例を参照の上、記入してください。 注2 提出いただいた調書は、バリアフリー推進オフィスおよび関係会議等で協議し回答いたします。案件によっては時間を要する場合があることをご了承ください。 注3 支援継続の場合、調書は毎年度ご提出ください。 (2024年6月) -----p90 〈障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 記入例「1」〉 記入例(支援機器貸出) 障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 20XX年X月X日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名:○○○○ 部局長名:○○ ○○ 下記のとおり支援が必要となりますので、支援実施計画調書を提出いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな)/○○研究科○○専攻 ○○ ○○(ふりがな) 要望する内容/合理的配慮の提供 要望の必要性(詳細に記入してください。)/本研究科博士課程に在籍中の大学院学生(視覚障害/弱視)が、授業履修時に使用する支援機器の貸し出しを希望しております。支援機器を活用することにより、当該学生の修学上の困難な状況が軽減されると考えられます。 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。)/((斜線)) 支援希望期間/20XX年X月X日から20XX年3月31日 備考 連絡先/支援実施担当者氏名:○○ ○○、電話:XX-XXXX-XXXX、メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 注1 記入例を参照の上、記入してください。 注2 提出いただいた調書は、バリアフリー推進オフィスおよび関係会議等で協議し回答いたします。案件によっては時間を要する場合があることをご了承ください。 注3 支援継続の場合、調書は毎年度ご提出ください。 (2024年6月) -----p91 〈障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 記入例「2」〉 記入例(配慮依頼文書に関わる情報提供) 障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 20XX年X月X日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名:○○○○ 部局長名:○○ ○○ 下記のとおり支援が必要となりますので、支援実施計画調書を提出いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな)/○○学部○○学科 ○○ ○○(ふりがな) 要望する内容/合理的配慮の提供 要望の必要性(詳細に記入してください。)/本学部に在籍中の学部生(発達障害)が、授業履修時及び試験受験時に担当教員への配慮依頼文書の送付を希望しております。配慮依頼文書の送付により、当該学生の修学上の困難な状況が軽減されると考えられるため、当該文書作成にあたり、その記載内容について、相談させていただきたい。 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。)/((斜線)) 支援希望期間/20XX年X月X日から20XX年3月31日 備考 連絡先/支援実施担当者氏名:○○ ○○、電話:XX-XXXX-XXXX、メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 注1 記入例を参照の上、記入してください。 注2 提出いただいた調書は、バリアフリー推進オフィスおよび関係会議等で協議し回答いたします。案件によっては時間を要する場合があることをご了承ください。 注3 支援継続の場合、調書は毎年度ご提出ください。 (2024年6月) -----p92 〈障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 記入例「3」〉 記入例(パソコンテイク利用) 障害のある学生・教職員への支援実施計画調書 20XX年X月X日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名:○○○○ 部局長名:○○ ○○ 下記のとおり支援が必要となりますので、支援実施計画調書を提出いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな)/○○学部○○学科 ○○ ○○(ふりがな) 要望する内容/合理的配慮の提供 要望の必要性(詳細に記入してください。)/本学部に在籍中の学部学生(聴覚障害/難聴)が、授業履修時の情報保障として、パソコンテイクを希望しております。パソコンテイカーの配置により、当該学生の修学上の困難な状況が軽減されると考えられます。 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。)/当該学生の希望する授業に配置するため、現時点での費用は未定。 支援希望期間/20XX年X月X日から20XX年3月31日 備考 連絡先/支援実施担当者氏名:○○ ○○、電話:XX-XXXX-XXXX、メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 注1 記入例を参照の上、記入してください。 注2 提出いただいた調書は、バリアフリー推進オフィスおよび関係会議等で協議し回答いたします。案件によっては時間を要する場合があることをご了承ください。 注3 支援継続の場合、調書は毎年度ご提出ください。 (2024年6月) -----p93 〈支援機器等貸出申請書 書式〉 支援機器等貸出申請書  年 月 日   バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名: 支援実施担当者氏名: 電話: メールアドレス: 支援機器等/支援機器等名、数量 使用者(学生・教職員) 使用目的 使用場所 貸出期間/ 年 月 日から 年 月 日 貸出手順・注意 ○本学の学生と教職員を対象として支援機器の貸出しを行います。 ○支援機器等の搬入搬出は、申請者が行ってください。 ○貸出期限の延長・変更については、バリアフリー推進オフィスまでご相談ください。 ○卒業・退職等で支援機器等が不要になった場合は、速やかにご返却ください。 ○支援機器等の「また貸し」はしないでください。 ○支援機器等の故障、不具合、破損、紛失等がありましたら、速やかに下記までご連絡ください。破損または紛失時は「支援機器等破損・紛失届」を提出していただきます。事由によっては、貸出申請を行った部局による弁償を求める場合があります。 東京大学バリアフリー推進オフィス e-mail:spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 【本郷支所】本郷キャンパス 学生支援センターMF TEL:03-5841-1715 FAX:03-5841-1717 【駒場支所】駒場キャンパス 教養学部8号館111号室 TEL:03-5465-8944 FAX:03-5465-8952 (2024年6月) -----p94 〈支援機器等貸出申請書 記入例〉 記入例 支援機器等貸出申請書 20XX年X月X日   バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名:○○○○ 支援実施担当者氏名:○○ ○○ 電話:XX-XXXX-XXXX メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 支援機器等/支援機器等名、数量/音声認識アプリ(UDトーク)サブアカウント、1:音声認識用マイク(WT01)※充電器含む、1:音声認識アプリ表示用iPad※充電器含む、1 使用者(学生・教職員)/○○学部○○専攻 ○年 ○○ ○○ 使用目的/聴覚障害(難聴)のある学生の授業等における情報保障のため 使用場所/学内 貸出期間/20XX年X月X日から20XX年3月31日 貸出手順・注意 ○本学の学生と教職員を対象として支援機器の貸出しを行います。 ○支援機器等の搬入搬出は、申請者が行ってください。 ○貸出期限の延長・変更については、バリアフリー推進オフィスまでご相談ください。 ○卒業・退職等で支援機器等が不要になった場合は、速やかにご返却ください。 ○支援機器等の「また貸し」はしないでください。 ○支援機器等の故障、不具合、破損、紛失等がありましたら、速やかに下記までご連絡ください。破損または紛失時は「支援機器等破損・紛失届」を提出していただきます。事由によっては、貸出申請を行った部局による弁償を求める場合があります。 東京大学バリアフリー推進オフィス e-mail:spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 【本郷支所】本郷キャンパス 学生支援センターMF TEL:03-5841-1715 FAX:03-5841-1717 【駒場支所】駒場キャンパス 教養学部8号館111号室 TEL:03-5465-8944 FAX:03-5465-8952 (2024年6月) -----p95 〈支援経費申請書 書式〉 支援経費申請書  年 月 日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名: 支援実施担当者名: 電話(内線): メールアドレス: 新たに要望する支援について、下記のとおり申請いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな) 要望する内容 要望の必要性(詳細に記入してください。) 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。) 支援期間/ 年 月 日から 年 月 日 備考 注1 申請は、支援面談等で必要性が認められた場合に限ります。申請提出後内容を検討するため、時間を要する場合もありますので、ご了承ください。 注2 次年度も支援継続の場合は、支援実施計画調書に記載しご提出ください。(原則として、支援面談実施が前提となります) (2024年4月) -----p96 〈支援経費申請書 記入例〉 記入例 支援経費申請書 20XX年X月X日 バリアフリー推進オフィス長殿 [申請者] 部局名:○○○○ 支援実施担当者名:○○ ○○ 電話(内線):XX-XXXX-XXXX メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 新たに要望する支援について、下記のとおり申請いたします。 支援対象者 所属・年次、職種、氏名(ふりがな)/○○学部○○学科 ○年 ○○ ○○(ふりがな) 要望する内容/授業受講時のパソコンテイク 要望の必要性(詳細に記入してください。)/授業履修時の情報保障として、新たに複数の科目についてパソコンテイクを希望しております。パソコンテイカーの配置により、当該学生の修学上の困難な状況が軽減されると考えられます。 所要見込額(千円)(詳細に記入してください。)/パソコンテイカー(2名連携入力):授業 4科目/2時間(全13回):人員 2名:時給 1,500円/1時間:費用 1,500円×2人×13回×4科目x2時間=312,000円 支援期間/20XX年X月X日から20XX年X月X日 備考 注1 申請は、支援面談等で必要性が認められた場合に限ります。申請提出後内容を検討するため、時間を要する場合もありますので、ご了承ください。 注2 次年度も支援継続の場合は、支援実施計画調書に記載しご提出ください。(原則として、支援面談実施が前提となります) (2024年4月) -----p97 〈支援機器等破損・紛失届 書式〉 支援機器等 破損・紛失届  年 月 日   バリアフリー推進オフィス長殿 部局名: 支援実施担当者氏名: 電話: メールアドレス: 下記のとおり、貸与物品を破損・紛失しましたので届け出ます。 区分/破損・紛失 ※該当に○ 対象品/支援機器等名、数量 使用者/氏名: 、所属: 、身分: 破損または紛失の事由/発生日時: 年 月 日( 曜日) 時 分(頃)、発生場所: 、状況: 注意:事由によっては、貸出申請を行った部局による弁償を求める場合があります。 東京大学バリアフリー推進オフィス e-mail:spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 【本郷支所】本郷キャンパス 学生支援センターMF TEL:03-5841-1715 FAX:03-5841-1717 【駒場支所】駒場キャンパス 教養学部8号館111号室 (2024年6月) -----p98 〈支援機器等破損・紛失届 記入例〉 記入例 支援機器等 破損・紛失届 20XX年X月X日   バリアフリー推進オフィス長殿 部局名:○○○○ 支援実施担当者氏名:○○ ○○ 電話:XX-XXXX-XXXX メールアドレス:○○○○○○@aaaaaaaa.bb.jp 下記のとおり、貸与物品を破損・紛失しましたので届け出ます。 区分/○破損・紛失 ※該当に○ 対象品/支援機器等名、数量/音声認識アプリ表示用iPad、1 使用者/氏名:○○ ○○、所属:○○学部○○専攻○年、身分:学生 破損または紛失の事由/発生日時:20XX年X月X日(X曜日)XX時XX分(頃)、発生場所:○○学部○号館○○○教室、状況:授業で音声認識の字幕表示用としてiPadを使用中、机から落下して液晶にひび割れが生じた。 注意:事由によっては、貸出申請を行った部局による弁償を求める場合があります。 東京大学バリアフリー推進オフィス e-mail:spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 【本郷支所】本郷キャンパス 学生支援センターMF TEL:03-5841-1715 FAX:03-5841-1717 【駒場支所】駒場キャンパス 教養学部8号館111号室 (2024年6月) -----p99 バリアフリー支援 参考ウェブサイト ※以下のウェブサイトは、2024年11月19日参照時点での情報です。 ●IncluDE 多様性包摂共創センター URL https://include.u-tokyo.ac.jp/ ●バリアフリー推進オフィス URL https://ds.adm.u-tokyo.ac.jp/ 〈東京大学の研究機関〉 ■経済学研究科 ●REDDY(Research on Economy, Disability and DiversitY) 多様性の経済学 URL https://www.reddy.e.u-tokyo.ac.jp/ ■教育学研究科 ●教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター URL https://www.p.u-tokyo.ac.jp/cbfe/ ■先端科学技術研究センター ●福島研究室/バリアフリープロジェクト URL http://bfr.jp/ 〈共通〉 ●独立行政法人 日本学生支援機構 障害学生修学支援情報 URL https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/index.html *全国の大学等における障害学生修学支援に関する情報がまとめられています。 ●一般社団法人 全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN) URL https://ahead-japan.org *大学における障害学生支援の充実・学術研究の発展を目的に設立された団体で、全国の動向が示されています。 ●PHED 東京大学障害と高等教育に関するプラットフォーム URL https://phed.jp ●HEAP 京都大学高等教育アクセシビリティプラットフォーム URL https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/heap/ ●全国障害学生支援センター URL https://www.nscsd.jp/ *障害のある当事者が中心となり、障害のある学生へ向けた大学案内や学生生活等についての情報が発信されています。 -----p100 ●独立行政法人 大学入試センター 大学入学共通テストQ&A URL https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/faq.html *大学入学共通テストにおける受験特別措置の詳細(申請の流れ、受験特別措置内容等)が示されています。(令和7年度大学入学共通テスト情報) ●独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 URL https://www.nise.go.jp/nc/ *障害のある子どもへの教育に関する情報がまとめられています。 ●独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 各種資料(障害者の雇用支援) URL https://www.jeed.go.jp/disability/data/index.html *障害者雇用に関するマニュアル等各種資料がダウンロードできます。 〈視覚障害〉 ●全国高等学校長協会入試点訳事業部 URL https://www.braille-exam.org/ *大学入試、学内定期試験、各種の資格試験等の点訳・墨訳を行う機関です。 ●サピエ(視覚障害者情報総合ネットワーク) URL https://www.sapie.or.jp/ *点字図書・音声図書等のデータベース及びダウンロードサイトです。 ●国立国会図書館 視覚障害者等への図書館サービス URL https://www.ndl.go.jp/jp/library/supportvisual/supportvisual.html *障害者サービスを実施している各種図書館への支援についてまとめられています。 ●一般財団法人 安全交通試験研究センター(点字ブロック等視覚障害者用福祉資材) URL http://www.tsrc.or.jp *誘導用ブロック(点字ブロック)に関する情報がまとめられています。 〈聴覚障害〉 ●日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) URL https://www.pepnet-j.org *聴覚障害学生の支援に関する情報がまとめられています。 〈肢体不自由〉 ●国土交通省 バリアフリー・ユニバーサルデザイン URL https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html *バリアフリー法関連情報等、バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する情報がまとめられています。 -----p101 〈難病〉 ●難病情報センター URL https://www.nanbyou.or.jp/ *難病に関する解説や各種制度等に関する情報がまとめられています。 〈発達障害〉 ●国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター URL https://www.rehab.go.jp/ddis/ *発達障害に関する情報がまとめられています。 〈精神障害〉 ●国立精神・神経医療研究センター 知ることからはじめよう こころの情報サイト URL https://kokoro.ncnp.go.jp *精神障害に関する情報がまとめられています。 バリアフリー推進オフィスキャラクター ことだま?ず -----pe1 テキスト無し -----pe2 東京大学バリアフリー推進オフィス所在地・連絡先 本郷支所 東京都文京区本郷7-3-1 TEL:03-5841-1715(内線21715) FAX:03-5841-1717 駒場支所 東京都目黒区駒場3-8-1 TEL:03-5465-8944(内線48944) FAX:03-5465-8952 本郷支所 柏分室 千葉県柏市柏の葉5-1-5 TEL:04-7136-5574 ※火曜日10時から16時 開室日はホームページをご覧ください。 「1」詳しい情報・最新の情報は、ホームページを参照ください。 https://ds.adm.u-tokyo.ac.jp 「2」メールでの問い合わせは以下へお願いします。 spds-staff.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp 「3」ホームページ上からの問い合わせもできます。 https://ds.adm.u-tokyo.ac.jp/contacts/formadd 障害のある学生へのバリアフリー支援ガイド 発行 2013年3月 改訂 2016年4月、2024年12月 編集 東京大学バリアフリー推進オフィス -----pe3 UTokyo -----end