発達障害・精神障害について、知っておいていただきたいこと
1.発達障害・精神障害とは
精神障害とは、精神や行動における特定の症状を呈することによって、生活するうえでの機能に障害を伴っている状態です。精神障害には、統合失調症、うつ病、不安障害など様々なものが含まれ、呈する症状は、幻覚・妄想、抑うつ気分、不安など極めて多様です。発達障害は精神障害に含まれていて、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠如多動性障害などに分類されます。社会性や読字・書字、注意力等に関わる脳機能の障害が想定され、その症状が通常低年齢において発現するものとされています。なお、高次脳機能障害、知的障害も大枠としては精神障害に含まれます。
精神障害の原因は一部を除いてほとんどわかっていません。生物学的(脳機能)な要素と心理的な要素と社会的な要素が、発症や経過に影響すると考えられていますが、その比重は個々の精神障害によってかなり異なっているようです。
2.発達障害・精神障害のある人との接し方
特定の精神障害、特定の症状及び個々人の特徴・状況によって接し方は異なるので一概には言えないのですが、比較的多くの精神障害のある人にとって望ましいと思われる接し方を以下に述べます。
■病気という理解
精神障害は、「甘えている」とか「根性が足りない」とかの理由で発症するわけではありません。基本的には病気であり、好きこのんで精神症状を呈する方はいません。「甘えている」「根性が足りない」と思いながら、本人と接していると態度に出ものです。病気であってそのために困難を抱えているのだということを十分理解したうえで、普通に接すると程良い接し方になると思います。
■相談しやすい雰囲気
精神障害のある方は、社会性に関わる行動特性などそもそもの精神症状や、後から出現した抑うつ気分や不安などの精神症状のために、コミュニケーションが得意ではないことが多いです。結果として、困難や悩み事を抱え込んでしまうことで、事態がより悪くなってしまうことがあります。なので、出来るだけ相談しやすい雰囲気を作っておいた方が良いでしょう。
■一人で解決しようとしない
精神障害のある方にとって、よき理解者である相談相手は何よりの助けになります。とはいえ、「何とかしなければ」と思って、一人で全て解決しようと思っていると一緒に悩み出してしまい相談が負担に感じられることもあります。相談に乗るにしても出来る範囲で対応しようと心がけることをお勧めします。また、周囲の人たちは、誰か一人に負担がかからないようにしましょう。