内部障害、慢性疾患について、知っておいていただきたいこと
1.内部障害、慢性疾患とは
内部障害とは、身体内部の臓器に何らかの障害があることを指します。内部障害の具体的な種類については、身体障害者福祉法で定めるところの、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能障害、肝臓機能障害、の計7障害であるとされます。進行性の疾患を伴っていることも多く、症状の変化で不安を抱えていたり、継続的な医療ケアが必要な方もいます。このおことについては、内部障害の定義には含まれませんが、治療に長期間を要する慢性疾患を有する方についても同様です。
いずれも、外見からは障害や疾患があるように見えない場合が多いのですが、修学場面や就労場面等において活動が制限されることがあり、周囲の人々の理解と支援を必要とする障害、疾患であるといえます。
2.内部障害、慢性疾患のある人と接するとき
内部障害、慢性疾患のある人の症状は多岐にわたることから、接し方のポイントについてもまた個別性の高いものとなります。以下には、比較的多くの内部障害、慢性疾患のある人にとって望ましいと思われる接し方を記載しました。
■身体的負荷を軽減させる
運動能力や体力が低下するため、過労にならないように留意することが大切です。例えば、話をする際には椅子に座ってもらったり、なるべくエレベーターやエスカレーターによる動線を確保したりするなど、さまざまな場面で身体的負荷を軽減させるための配慮が求められます。
■プライバシー保護のもと正しく理解する
内部障害、慢性疾患のある人の症状は多岐にわたることから、まず本人から、障害や疾患の状態について十分な説明を受け、正しく理解することが大切です。その上で、必要な支援を、本人と一緒に話し合うことが求められます。なお、その際には、プライバシーの保護に留意しましょう。
■相談窓口を周知する
外見からは障害や疾患が判らないため、本人が、困難さや辛さを周囲になかなか言い出せずにいることもあります。修学場面や就労場面では、発作や体調不良による長期欠席等の問題が発生してから対応を迫られる場合も少なくありません。そのため、支援の窓口を周知し、本人が支援にアクセスしやすい環境を作ることが大切になります。